公益財団法人 北九州市芸術文化振興財団

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埋蔵文化財調査室


平成29年度 市民考古学講座

第5回「中世」を1月25日(木)に行いました。

 第5回中世では「女と男の中世文化 ー女と男からみた北九州の中世ー」というテーマでお話しいたしました。

 まず、北九州市内の中世のお墓のあり方で、小倉南区真光寺墓地の集石墓から全部で65体の人骨が出土しました。その内訳は男性5体、女性2体、不明58体となっています。性別のわかる人骨では男性の比率がやや高いことがわかりました。墓地の時期は鎌倉時代の延応えんおう元(1239)年で、階層は下位の領民、農民層が想定されていて、火葬骨が多い傾向があります。奈良時代の火葬は階層上位者が多く、江戸時代の武家は土葬が多い傾向にありますが、その間の中世の真光寺墓地で火葬が多いのはどういった理由なのか。これを解きあかすために、次に各時代の結婚・恋愛感というものを文献史料から探ってみることにしました。

 古墳時代や古代では、古墳資料や万葉集などを参考にすると、相思相愛の関係が、いつの間にか本人同士の間で結婚と意識されていたようです。また、夫が妻を管理・所有しているという意識はなく、妻は性対象を自由に選択する権利をもっていたと考えられます。 古代末〜中世にかけては一般的な妻問い婚で、決して夫の両親と同居することはなく、妻方では婿取り儀式を行っています。ただ中世へと時代が新しくなるにつれて、男性は家長として独立性を保つようになります。 平安時代後期には、「妾」がいて『一夫多妻制』になり始め、女性に性の従属や忍耐をもたらし始めています。

 人身売買は、中世において一人二貫文ぐらいでしたが、戦国時代になるにつれ、一人20〜30銭と安くなり、伴天連ばてれんに売り渡される人も多くいました。また妾ばかりに通っている夫には、妻が妾の家を壊したりする「後妻打うわなりうち」の習俗が江戸時代初期まで庶民層に残っていました。しかし、江戸時代に入ってからは身分序列が厳しくなり、女性は主人への絶対的忠誠による支配服従関係となり隷属化していきました。

 このように、古く奈良・平安時代の女性はかなり自立した状況でしたが、室町・江戸時代へと徐々に従属していった状況が窺えます。

 ただ最初に述べました中世の真光寺墓地のあり方は、男女の関わりとは別なようです。この貫地区には、「伝染病の場合は、男女問わず否応なく火葬にする」という言い伝えがあります。そうしたことから中世の貫地区には、かなり伝染病が流行し、多数の死者が出たことが窺われます。

 このように、これまでの男の活躍した日本の歴史だけでなく、女性の関わり、男女の関係のあり方を探ることによって、さらにより細かく日本の歴史を辿ることができるのではないでしょうか。

(公財)北九州市芸術文化振興財団 埋蔵文化財調査室
学芸員 宇野愼敏


※この講座の参加募集はすでに締め切りました。またのご参加お待ちしております。



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