公益財団法人 北九州市芸術文化振興財団

目次

財団の活動

北九州芸術劇場
響ホール
音楽事業
埋蔵文化財調査室
紹介
最新の発掘情報
平成29年度の発掘情報
普及活動
出版事業
北九州国際音楽祭
北九州市ジュニアオーケストラ
北九州市少年少女合唱団

施設あんない

北九州芸術劇場
響ホール
大手町練習場
施設空き状況
劇場・響ホール・市民会館
戸畑市民会館

公演スケジュール
公演詳細情報

刊行物
かるかる
ステージ通信「Q」

財団について
財団概要
事業概要

リンク
北部九州文化ネットワーク会議

お問い合せ
お問い合わせ

トップページへ戻る

埋蔵文化財調査室


平成29年度 市民考古学講座

第6回「近世」(小倉城巡り)を3月22日(木)に行いました。

 最終回である第6回の市民講座は、近世として、「小倉城巡り」を行いました。

 今回は小倉城の周辺を散策するのですが、前週までの陽気と打って変わって、気温が低くなり、皆さん寒さをこらえての活動となりました。 小倉城は慶長七年(1602)に細川氏によって築城され、その後小笠原氏に受け継がれた豊前国小倉藩主の居城です。城は天守台を中心とした東西約1.8km、南北約1.9kmに広がる範囲を城郭としています。城郭は中央を流れる紫川を挟んで東西に分かれており、それぞれを東曲輪ひがしくるわ西曲輪にしくるわとし、西北部の海岸に帯状に広がる範囲は、帯曲輪おびくるわと呼ばれていました。今回の講座では城の中枢施設が集中する西曲輪を中心に、現在の地図や幕末頃に描かれた「小倉藩士屋敷絵図」などを見ながら、巡っていきました。

 センターから北側に向かって歩いていくと、勝山公園が見えてきます。勝山公園の周辺は当時の三ノ丸跡に当たり、道路の拡幅工事などに伴って多くの発掘調査が行われた場所です。三ノ丸は上級武士の屋敷などが置かれた場所で調査では屋敷地やその横を通る砂利敷きの道の跡、またその両脇を通る側溝(石組溝)、堀やそれに伴う石垣などさまざまな遺構が確認されています。見える遺構としてはあまり残っていませんが、実際に発掘調査が行われた現地を歩きながら、調査成果などについて説明を行いました。また、この辺りは昭和8年に完成した小倉造兵廠(小倉工廠)の中にあり、軍需施設が建ち並んでいた場所でもあります。清張通りの拡幅工事に伴う調査では、実際に当時のコンクリート造りの地下施設や地下道などの遺構も確認されています。

 現在、松本清張記念館がある場所は三ノ丸から二ノ丸へと入る西ノ出口門(松ノ門)と二ノ丸から本丸へと上がる西口門の間にあった向御花畠跡になります。 この辺りは特に多くの調査が行われている一帯です。この西側にある思永中学校では、三ノ丸の中でも特に名のある上級武士の屋敷地が軒を連ねており、それぞれ広大な屋敷地を有しています。調査ではこれらの屋敷地の入口に作られていた立派な石組階段や屋敷地を区画する石垣、また、多くの陶磁器や瓦などが出土しています。

 清張記念館の入口前を抜けて東へ行くと西口門があり、ここでは石垣について見学を行いました。小倉城では多くの場所で、自然石を積み上げた野面積みを採用しており、その中には完成した石垣をさらに継ぎ足して作られたような状況を見ることができる場所があります。この西口門でもそういった構造を見ることができます。 西口門を抜けて鉄門くろがねもんを上るといよいよ城の本丸となります。当時、ここは藩主の住まう本丸御殿があった場所ですが、現在は桜が植えられ、桜の名所として有名になっています。まだ時期は少し早かったのですが、当日1本だけ桜が咲いていました。桜は江戸時代から小倉の名物であったらしく、明治45年に記された『龍吟成夢』りゅうぎんせいむには、「城ノ周囲ハ桜樹繁茂ス」とあり、小倉城の周辺には桜が植えられていたことがわかります。

 次は本丸から槻門けやきもん、そして大手門へと進んでいきます。当時の大手門は家老や名のあるお寺の住職、英彦山の座主など限られた人のみが通ることができた門で、その他の人々は皆、西口門から出入りを行っていました。 大手門を出て、次は天守台の石垣を見学しました。つい先日まで堀の水を抜いて石垣の調査を行っていましたが、調査は終了し、この前日からまた水が注入され、見学した際にも水がどんどん流れ込んでいる状態でした。水が抜かれた珍しい堀の状態を見ることができなかったので、みなさん少々残念だったようです。

 天守台を後にして今度は南に向かって歩いて行きます。中央図書館の東側は代米御蔵跡に当たり、調査では紫川の川岸を埋め立てて石垣を築いた状況や蔵の基礎である礎石群、建物の軒から落ちる雨水を受けるための石組溝などが確認されています。 その後も周辺の調査成果を写真や地図などで見ながら現地を歩き、埋蔵文化財センターへと戻りました。 当日は、散策をするには少し寒い天気でしたが、普段何気なく通っている場所に遺跡が眠っていること、また現在でも残っている石垣や地形などを説明していくと、みなさん本当に興味深そうに耳を傾けて頂き、たくさんの質問もでました。いろんなお話をしながら、楽しく小倉城巡りをすることができたのでないでしょうか。

 また、今回は最終回ということで、最後に修了証と記念品をお配りし、全ての講座を無事修了しました。この講座によって、受講者のみなさんが北九州市の歴史や遺跡にさらに興味を持ち、知識を深めることができたなら幸いです。

(公財)北九州市芸術文化振興財団 埋蔵文化財調査室
学芸員 山口裕子


※この講座の参加募集はすでに締め切りました。またのご参加お待ちしております。



<写真はクリックすると大きく表示されます>


市民考古学講座 01

市民考古学講座 02

市民考古学講座 03


市民考古学講座 04

市民考古学講座 05

市民考古学講座 06