中野 振一郎 NAKANO,Shinichiro

 1964年京都生まれ。 1986年桐朋学園大学音楽学部の演奏学科(古楽器専攻)を卒業。 1990年大阪で開いた4夜連続リサイタル「ヨーロッパ・チェンバロ音楽の旅」により「大阪文化祭金賞」等を受賞。 1991年7月にはフランスの「ヴェルサイユ古楽フェスティバル」のクープラン・サイクルに出演。ケネス・ギルバートやボブ・ファン・アスペレンら欧米を代表する名手と肩を並べ「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれたほか、1992年6月「バークレー古楽フェスティバル」へ最年少の独奏家として招かれる。1993年ロンドンの独奏会場ウィグモア・ホールのデビュー・リサイタルを開き、「日本人には珍しいパーソナリティーを持っている。」と評され大成功を収めた。

 1994年サイモン・スタンデイジとの二重奏を含む3回連続の演奏会「チェンバロ三夜物語」を東京で開き、豊かな表現力と企画力が高く評価される。1999年ドイツ招聘演奏旅行ではコレギウム・ムジクム・テレマンを率いて見事に聴衆を沸かせ、ソリストとしてだけではなく、オーケストラの音楽を構成するディレクターとしての魅力を国際的にアピールした。また1999年バッハ:「ゴルトベルク変奏曲」をCD収録し、同年東京・名古屋・大阪で公演。「各変奏が持つ世界を可能な限り忠実に描出しようとする真摯な姿勢には心を打たれる」「先人たちの遺産を鑑み、大地をしっかり踏まえた中野の解釈の方が、説得力が大きい」「この基本的な解釈にさらなる年輪が刻まれるのを見守っていきたい」(音楽評論家・岡本 稔氏=1999年11月9日付日本経済新聞・夕刊)と絶賛された。

 2003年「バッハ フェスティバル ライプツィヒ 2003」に日本人として唯一出演。ソロ演奏会及びコレギウム・ムジクム・テレマンとの共演等、ソリストあるいはミュージックディレクターとしての力量を遺憾なく発揮。中でもライプツィヒにおける「ゴルトベルク変奏曲」は特筆すべき公演で、現地でも高い評価を得た。また、この様子はNHK教育テレビ「芸術劇場」にて放映され国内でも話題を呼んだ。2004年ドイツでの単独リサイタル・ツアーでは地元紙からの「”例外”のチェンバリスト」「耳のご馳走」と大絶賛された。

 CD の収録にも意欲的で、フランス、イタリア、ドイツ各国の作曲家の作品による多数のソロ・アルバムをリリース。中でも 2000年にリリースした「ゴルトベルク変奏曲」ではヒストリカル・チェンバロとモダン・チェンバロによる演奏とをあわせて収録し、レコードアカデミー賞に輝く。2004年バッハの「フランス組曲」をリリースし、レコード芸術特選版に選ばれた。

 日本のみならず世界のチェンバロ奏者としてその地位を不動のものにしている。

[受賞歴]

● 1991年度「大阪文化祭賞・金賞」、「大阪市・咲くやこの花賞」       

● 1992年度「村松賞」「関西芸術大賞・シルバー賞」                

● 1994年度「大阪文化祭賞・本賞」                    

● 1995年度「大阪文化祭賞・本賞」                        

● 1996年度「大阪文化祭賞・本賞」「文化庁芸術祭・音楽部門/新人賞」             

● 2003年度「第22回京都府文化賞」

● 2004年度「兵庫県芸術奨励賞」「文化庁芸術祭大賞」