CulCul6月号 2013 page 3/16

CulCul6月号 2013

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2013.JuneTheatre Madam Bach「ウィンド~風~」 cChristoffer BrekneTheater salz + pfeffer「 スティックマン」様々な風を登場させ、観客を集中させる手法は見事である。このカンパニーには2年前に日本ツアーを行った『雨だれ?レイン』というレパートリーもあるが、下手に擬人化を行う事なく、それでいて、見終った後に、雨や風がなんとなく愛おしく思えてくるような作風は、流石アンデルセンの国というべきか。 もう1本は、ドイツから。「Theater salz + pfeff er(シアターサルツ+プフェファー)」の『スティックマン』(7月20日・21日/北九州芸術劇場小劇場)だ。原作はジュリア・ドナ 7月、ヨーロッパから2本の児童青少年向け演劇作品がやってくる。今回はそれらをご紹介したい。 1本は、芸術性の高い児童青少年演劇が展開されていることで世界から注目をあびているデンマークから、「TheatreMadam Bach(シアターマダムバッハ)」の『ウインド?風?』(7月20日・21日/北九州芸術劇場創造工房)。 タイトル通り、「風」をモチーフにした、楽器や身近な小物を用いたパフォーマンスで、対象年齢は2歳以上。次から次へとが伝えるべきメッセージも全く異なる。また、「親子向け」と設定されている作品も「親子で観て意味がある作品」ではなく「子どもを連れてくる親もまあまあ楽しめる作品」でしかないことも多い。 演劇をやっている身としては、日本でも、演劇の持つ教育効果が広く認知され、「教育的=説教臭い」という誤解が解かれればいいと心から願う。そのためには、作り手がしっかりした作品を世に送り出すことも必要なのだろう。そういった決意を新たにするために、この2本の作品には是非足を運びたいと思っている。ルドソン。アクセル・シェフラーとのペアで、日本でも『カタツムリと鯨』『もりでいちばんつよいのは?』などが和訳されている人気絵本作家の作品を人形劇にしたものだ。家族と幸せに暮らしていた、木の枝の形をした「スティックマン」がクリスマスの日に経験する大冒険のお話。人形劇なのだが、パフォーマーが堂々と登場して人形を操るうちに、操作者と人形の境目がだんだんなくなっていくのが不思議だ。カンパニーによると対象年齢は4歳?100歳、文字通り大人から子どもまで楽しめる作品との事。 このような、海外ツアーを数多くこなしている経験値の高いカンパニーの作品を見るたびに、彼らが観客である子どもをとても良く研究している事に感心する。プロなんだからクライアントの研究など当たり前だ、と鼻で笑われそうだが、対象年齢以外の子どもの入場は頑として受け付けないなど、自分たちの作品がどういう立ち位置にあるのかが非常にはっきりしているのだ。 一方日本ではまだまだ「子ども向け」という曖昧な線引きで上演されることが多いように感じる。一口に「子ども」と言っても、未就学児と小学校6年生では、興味の対象も、芸術作品演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka子どもを「子ども扱い」しない。ヨーロッパの児童青少年演劇にはそんな哲学が見える。