CulCul6月号 2013 page 6/16

CulCul6月号 2013

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

6日本マンガ学会 第13 回大会【開催日】2013 年7月6日(土)・7日(日)【会場】漫画ミュージアム企画展示室など【内容】会員による研究発表や、「マンガとアジア」をテーマとするシンポジウムなど。【お問合せ】北九州市漫画ミュージアム 093(512)5077 「北九州市漫画ミュージアム」を含め、漫画を収蔵する施設の開設が近年相次いでいます。その背景には、1990年代後半に欧米で起きた日本のアニメと漫画のブームがあります。かたやアジアでも、著者の許諾を得ない、いわゆる「海賊版」の形で、1960年代ごろから日本の漫画が翻訳出版されていましたが、90年代に著作権関係の条約が整備され、正式な翻訳出版が定着していきます。 海外で急増した日本漫画のファンは、より深く詳しい情報成されたのが2001年のことです。結成をリードした京都精華大学は、あわせて「マンガ文化研究所」も同年に設置。これが「京都国際マンガミュージアム」(2006年開館)の母体となります。漫画の学術研究のために、漫画雑誌や単行本の保存に乗り出したのです。 「漫画の学術研究」と言うと奇妙に感じられるかも知れません。解読困難な古典文学や高度な鑑賞を要する美術作品ならともかく、誰でも簡単に読める漫画に「研究」なんて、と。では私たちは、どうして漫画を「読める」のでしょう? 海外で翻訳された漫画単行本の多くには、漫画の読み方の説明がつけられています。ページを細かく区切る「コマ」や、セリフが書かれた「ふきだし」を読む順番などです。日本国内でも『小学一年生』など幼年誌では、漫画のコマに番号がふってあります。実は私たちは「学習」の結果、漫画が「読める」のではないでしょうか。 他にも、登場人物の感情をどう絵にするか、音や動きを示す擬音語・擬態語はどう描くかなど、漫画には様々な決まりごとがあります。漫画が「誰でも簡単に読める」のは、ほとんどの日本人が決まりごとをいつの間にか「学習」してきた結果に過を求めて、日本政府の大使館や、日本語・日本文化を教える海外の大学に問合せをするようになりました。しかし、どちらも特に漫画の専門家がいるわけではありません。かと言って、日本に問合せを行おうにも、一体どこに聞けばよいのでしょう? 出版社は自社で扱っている作品についてしか知りません。「日本漫画家協会」など漫画家の団体も、加盟しているのは希望者のみです。 それではいけないと、学術研究団体「日本マンガ学会」が結漫画hiroba表  智 之北九州市漫画ミュージアム 専門研究員Tomoyuki Omote漫画の「ミュージアム」開設の背景には海外での日本漫画ブームがありました。Information漫画と北九州~漫画の「学術研究」とは~ぎません。ですから、漫画を読むのが苦手という方や、特に最近の作品は読みづらいという方も結構いらっしゃいます。漫画の決まりごとが時代と共に多様化・複雑化していったからです。 漫画の「学術研究」とは、「誰でも簡単に読める」ことの裏側にある興味深いテーマ、例えば決まりごとの個別の機能や全体的な構造、歴史的な変遷などを追及します。前述の「日本マンガ学会」の、年1回の大会が今年、当館を会場に開催されます。漫画研究の最前線に、この機会にぜひ触れてみてください。昨年度大会開催風景(東京・明治大学)