CulCul 7月号 2013 page 6/16

CulCul 7月号 2013

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

6日本マンガ学会 第13 回大会【開催日】2013 年7月6日(土)・7日(日)【会場】漫画ミュージアム企画展示室など【内容】1日目は会員による研究発表など。2日目はシンポジウム「マンガとアジア」など。【お問合せ】北九州市漫画ミュージアム 093(512)5077性漫画家・上田としこ(故人)の評伝作品「フイチン再ツァイチェン見!」(『ビッグコミックオリジナル』連載)で注目されています。上田は「満州国」のハルピンで育ち、ハルピンの中国人少女の物語「フイチンさん」を戦後に発表、大人気を博しました。 両氏ともに、史実を忠実に追うよりも、大胆な発想の転換や旺盛な想像力で歴史の本質に迫ろうというスタイルです。日中・日韓関係がかつてない危機にある今、「マンガとアジア」という一風変わった切り口から、アジアについてあらためて考えてみる。そんな機会になれば幸いです。 来る7月6日(土)7日(日)、北九州市漫画ミュージアムで開かれる「日本マンガ学会」では、「マンガとアジア」と題したシンポジウムが二日目に開催されます。アジアがテーマとなったのは、アジアの玄関口である北九州にちなんでですが、漫画とアジアには元々深い関わりがあります。東・東南アジアの国々、例えば韓国や台湾やタイなどでは、日本の漫画が1960年代ごろから翻訳出版され、深く浸透してきました。それらの国では、日本の漫画を読んで育った漫画家が大いに活躍しており、漫画hiroba表  智 之北九州市漫画ミュージアム 専門研究員日本マンガ学会大会シンポジウム「マンガとアジア」が開催されます。Information漫画と北九州日本の漫画家と肩を並べて日本や欧米で人気を博している例も少なくありません。 シンポジウムの第一部では、日本漫画のアジアへの浸透の最新状況を、フィリピンの例を元に検討します。日本の漫画から吸収したエッセンスが、現地の伝統的な漫画と混ぜ合わさり、フィリピンの場合はさらに北米の漫画の影響も加わって、独特の表現が生まれているのです。また、キリスト教徒の割合が高く、日本とは倫理観が異なりますから、日本の漫画を日本人とは違った目で、例えばある種の禁忌意識を持って受容している側面もあります。そういった興味深い特徴を、現地の漫画家や、漫画イベントの主催者などをゲストに迎え、明らかにしていきます。 アジアと漫画の深い関わりをもう一つ挙げましょう。日本の漫画がアジアを、特に中国大陸を好んで描いてきたことです。『三国志』等の古代史や、『西遊記』等のファンタジーも多く取り入れられていますが、中でも興味深いのは、近代日本のアジアへの膨張の過程を盛り込んだ漫画です。戦争の悲劇についてしっかり捉えなおしたい、そんな思いが作者にも読者にもあるのでしょう。 シンポジウムの第二部では、安彦良和氏と村上もとか氏、二人の人気漫画家をゲストに迎えます。安彦氏は、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」で知られますが、日本とモンゴルの血を引く青年が「満州国」で歴史の荒波にさらされる「虹色のトロツキー」など歴史漫画家としても評価が高く、現在は日露戦争を題材とする「天の血脈」(講談社『アフタヌーン』連載)に取り組んでいます。村上氏は、TVドラマ化された「仁-JIN-」が記憶に新しい所ですが、同じく「満州国」をめぐる歴史冒険譚「龍-RON -」のほか、女昨年度大会開催風景(東京・明治大学)安彦良和「天の血脈」c 安彦良和/講談社 アフタヌーンKC 刊Tomoyuki Omote