CulCul 7月号 2013 page 7/16

CulCul 7月号 2013

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

7 CulCul 2013.July埋蔵文化財hiroba 山 口 裕 子遺跡からのメッセージ(公財)北九州市芸術文化振興財団埋蔵文化財調査室 学芸員Yuko Yamaguchiルーズソックスは女子高生の定番アイテム。城野遺跡第3地点から出土した大量の弥生土器城野遺跡第3地点から出土した弥生時代中期と後期の土器 ルーズソックス。女子高生といえば、コレ。 最近は以前ほど見なくなりましたが、私が学生の頃はまだ流行りだしたばかり。「ふわふわした感じがかわいい」「足首を隠すことで、太ももがやせて見える」なんて…ま、理由はどうあれ、爆発的な普及をみました。 当時、大人だった方にはよれた靴下で、みっともないと思われていたのかもしれませんが…。 話は変わりますが、平成23年度に小倉南区にある城野遺跡第3地点で発掘調査を行いました。ここでは、弥生時代の土器が大量に出土しています。壺、甕かめ、鉢、高たかつき坏(盛りつけ用、中央に脚が着くうつわ)、器き 台だい(上下が開く筒状、壺などを上に置く)などさまざま種類の土器が確認されました。 出土した土器は全て持ち帰り、洗って接合を行います。その後、特徴を調べるため図面に起こしていくのです。こうやって、整理された土器を見ていくと、同じ特徴を持つものがあることに気づきます。また、それは時期や地域によって違っているのです。 この様な土器の特徴を地域や時期によって系列的に並べたものを考古学の世界では「編年」と呼びます。ちなみに「編年」は土器だけでなく、石器や鉄器にも用いられます。これと照らし合わせることで出土した遺物がいつの時期のものなのかを確認していくのです。 弥生時代は大きく、前期・中期・後期の3つの時期に分けられています。城野遺跡第3地点でみつかった土器は主に中期から後期にかけての土器です。 中期の土器の特徴のひとつに、甕の「跳ね上げ口こう縁えん」というものがあります。これは甕の口の部分の先端を上の方に突出させるもので、地域によって多少の差はありますが、全国的に見られる傾向です。また、底は厚く、外底面が窪んで、上げ底状になっています。後期になってくると跳ね上げ口縁は見られなくなり、底部の幅が広がります。そして、だんだんと丸みを帯びていくのです。 時代は大きく流れて。女子高生といえば、ミニスカートにルーズソックス。けれども、少し時代をさかのぼれば、聖子ちゃんカットにロングスカートがその定番だった頃も…。現代の流行の多くは若者から発信され、年々、移り変わっています。 弥生時代は今より時間の流れがゆっくりで、時代の変化も今の様に目まぐるしいものではなかったでしょう。また、土器は生活に密着した道具です。その形の変化というものも、利便性や効率によるものが多く、ファッションの流行と単純に同じものと考えることはできません。しかし、それは今と同じく、当時生活の担い手として中心的に働いていた若者達の手によって生みだされていたのかもしれません。【このコーナーの次回掲載予定は9月号です】ルーズソックスと弥生土器