CulCul 8月号 2013 page 2/16

CulCul 8月号 2013

このページは CulCul 8月号 2013 の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

2 北九州市立松本清張記念館では、市制50周年及び開館15周年を記念して、特別企画展『松本清張と邪馬台国』を開催します。 松本清張は戦前から考古学に関心を寄せていましたが、邪馬台国とその《謎解き=推理》に興味を持ったのは戦後になってからです。そして、昭和38(1963)年に、戦前訪れた安心院を舞台とした小説『陸りく行こう水すい行こう』を書きました。三年後、『古代史疑』の連載をはじめ、《距離や戸数は虚きょもう妄の数字》、《「一大率」は帯方郡の派遣官》など独自の清張説を世に問いました。研究史や学説史を丹念に押さえた〝手固い学術論文?だと評価されましたが、邪馬台国問題を一般市民に開放しブームに火を付けた点も見逃せません。 邪馬台国に関する対談などでの、専門学者への質問の裏には、 今回の企画展でぜひご覧いただきたい展示品は、まず清張所蔵の銅鏡です。邪馬台国の謎を探求するための参考資料として清張自身が収集したもので、清張が中国との深い交流に注目した北部九州の弥生遺跡から多数出土する後漢鏡きょうが主です。『方ほうかく格規き矩く 鏡きょう』や『内ないこう行花か文もん鏡きょう』、『盤ばん龍りゅう鏡きょう』など18面全部を一堂に展示、『貨泉』などの中国古銭と合わせて、圧巻です。  次に、清張が出征にあたり急ぎ作らせた蔵書印を押した書物で、現在も記念館内再現家屋《書庫》に残る蔵書があります。戦前から清張が『日本考古??』(後藤守一著)や『古事記概説』(山田孝雄著)などの高度な専門書に目を通していた事実は、驚きです。また、『豊前国安心院』、『古代史疑』、『倭人考』など多数の、特別企画展『松本清張と邪馬台国』ポスター直筆原稿『古代史疑』『吉野ヶ里シンポジウム』で講演する松本清張写真提供 : 佐賀新聞社盤ばんりゅうきょう龍鏡後漢時代四しようざちゅうないこうかもんきょう葉座鈕内行花文鏡後漢時代複ふくはもんえんほうかくきくししんきょう波文縁方格規矩四神鏡後漢時代並々ならぬ努力と本格的な研究の蓄積がすけて見えます。それが『清張通史1 邪馬台国』に結実するのです。また「邪馬台国シンポジウム」などの司会では一般聴衆の代表として、論争を上質な《謎解き》として「演出」しました。故門脇禎二氏は、松本清張説は今後の邪馬台国研究において〝必ず通過しなければならない関門?の地位を占めていると評価されましたが、何より、『清張通史1 邪馬台国』が文庫本として現在も読まれ続けていることこそ、清張《邪馬台国》論の真の価値を伝えています。Information北九州市小倉北区城内2の3093(582)2761【常設展観覧料】に含む一般  500円  中高生 300円小学生 200円(こども文化パスポート適用あり)【開館時間】午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで)中 川 里 志特別企画展『松本清張と邪馬台国』――『魏志』「東とういでん夷伝」倭人条の謎に挑む8 月1 日(木)~ 11 月4 日(月・祝)Satoshi Nakagawa4 北九州市立松本清張記念館学芸担当主任初公開の直筆原稿も必見です。初公開の『研究ノート』と併せて、この機会にぜひご鑑賞ください。 最後に、清張が晩年『吉野ヶ里シンポジウム』で行った記念講演の一部を会場で流します。今回の企画展でしか聞けない清張の生の声で、清張《邪馬台国》論をお聴きいただける貴重な機会です。そのあと、『清張通史1 邪馬台国』の文庫本を案内役に、涼しい館内読書室でしばし邪馬台国の謎解きをお楽しみいただくのもお奨めです。