CulCul 11月号 2013 page 7/16

CulCul 11月号 2013

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

7 CulCul 2013.November図1 三郎丸遺跡出土ナイフ形石器(縮尺1/5)埋蔵文化財hiroba 山 手 誠 治遺跡からのメッセージ(公財)北九州市芸術文化振興財団埋蔵文化財調査室 学芸員Seiji Yamate写真1 城野・金山遺跡出土ナイフ形石器側縁に、指を切らないようにするために、刃はつぶ潰し加工を加えて背を作り出しています。刃潰し加工は石材の側縁に、先端を尖らせた骨や角つのを垂直に押しあてて、小さな?離調整を行います。?離跡が順序よく規則的に並んで背を作り出しています。先端が尖っていて、現在のナイフ(小刀)と同じ形をしています。肉や皮を突いたり、切った 1万3000年前から3万5000年前の後期旧石器時代になると、新しい技術の伝でんぱ播によって、小型で定型化した?はくへんせっき片石器が誕生します。ナイフ形石器は後期旧石器時代の中で、普遍的に見られ、代表的な道具です。また地方色が強く現れるのもこの石器の特徴です。薄く?離した鋭利な一側そくえん縁を刃部としています。その反対側の厚みのある(元もといし石)から横長の?片を取ります。この?片は、翼を広げた鳥を前から見ている格好に似ていることから、翼状?片と呼ばれています。弧を描く鋭利な側縁を刃部として、一側縁に?離調整を加えて背を作り出しています。この石器は瀬戸内地方から近畿地方まで広く分布しています。2のような石器を作るには、石の表皮を丹念に?ぎ取り、ラグビーボールのような石核(元石)を作り出すことが必要です。この石核の上部を横から打ち欠いて平坦な打面を作ります。打面に上から打撃を加えて、細長い柳の葉のような縦長の?片を?ぎ取ります。内湾する鋭利な側縁を刃部として、二側縁に?離調整を加えて背と基部を仕上げています。関東地方に広く分布しています。ナイフ形石器には、機能を追求した結果産まれた美しさがあります。丁寧に?離調整を加えて美しい背を作り出す高い技術があります。定型化した形の美しさがあります。石の知識と手先の器用さ、高い技術を認めることができます。今なら北九州マイスター※に推おされたことでしょう。「石器の魅力」り、骨や木を削ったりするのに用います。 石材の違いによって、同じ型の石器でも印象が変わります。写真は九州でよく出土するナイフ形石器です。三角形をなし、鋭利で直線的な刃部、二側縁に?離調整を加えて下端部が尖るように基部を仕上げています。石材は黒曜石と水晶です。黒曜石のナイフ(写真1の1)は小倉南区城野遺跡から出土しています。黒曜石は佐賀県伊万里腰岳産で、漆黒の光沢のあるガラス質の石です。水晶のナイフ(写真1の2)は小倉南区横代金山遺跡で出土しました。水晶はガラス光沢のある透明な良質のものを石材にしています。小倉南区貫の水晶山で産出し、貫川や長野川で採集できます。 同じ石材でも?離技術の違いによって、ナイフ形石器に違いが生まれます。 図1のナイフ形石器は小倉北区三郎丸遺跡から出土しています。石材は香川県金山産のサヌカイトを用いています。サヌカイトはガラス質安山岩のことです。たたくとカンカンと石が鳴ることからカンカン石とも呼ばれています。石を割った時は深い黒色をしていますが、風化が進んでくると表面が灰白色に変わって行きます。1のような石器を作るには、まず板状の石せっかく核※ 北九州市が、創設した、「モノづくり」に関わる高度技能者を「北九州マイスター」として認定し、表彰する制度。【このコーナーの次回掲載予定は1月号です】