CulCul 12月号 2013 page 3/16

CulCul 12月号 2013

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2013.December5日・6日/北九州芸術劇場大ホール)が上演された。シェイクスピアの時代に倣って「オールメール」つまり、出演者は男性のみという趣向が話題を呼んでいるシリーズに属する作品だ。 同じく10月、中村恩恵と首藤康之のダンスユニットが『Shakespeare THE SONNETS』(10月20日/北九州芸術劇場中劇場)を上演。これは、154篇のソネット(14行から成る定型詩)で構成された「ソネット集」をダンス作品にしたもの。ジュリエットやシャイロックなど認知度の高いキャラクターも登場させるなど、作品に親しみがもてるような工夫もしてある。 シェイクスピアの作品の魅力はその「台詞」にあるとも言われる。確かに彼の登場人物はかなり長々と良く喋る。そして、その台詞の端々に現代にも通じるウィットが含まれているのた37作とも40作とも言われている作品は、現在も世界中で上演され続けている。北九州でも、「子供のためのシェイクスピア」シリーズが定番化しており、今年は『リチャード三世』(演出:山崎清介/9月2日/北九州芸術劇場中劇場)が上演された。 また、10月には、蜷川幸雄演出の『ヴェニスの商人』(10月 知っている「劇作家」の名前を全部言ってみて下さい、と頼まれたら、みなさんは誰の名前をあげるだろうか。井上ひさし? つかこうへい? 三谷幸喜? その中に果たしてシェイクスピアは含まれるだろうか。 ウィリアム・シェイクスピアが生まれたのは今から449年前、1564年。彼が生み出し演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka『ヴェニスの商人』チラシ『Shakespeare THE SONNETS』チラシ「劇作家」         ウィリアム・シェイクスピアが、これだけ長く愛されてきた理由なのではないかとも思う。例えば、「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」という台詞は、シェイクスピアをよく知らない人でも、耳にしたことはあるだろう。500年近く前に書かれた外国の芝居の台詞であることを考えると驚くべきことだ。 他にも、聞いたことのある台詞、奥の深い台詞はたくさんある。少し例をあげると「終わり良ければすべて良し」これは、そのままずばり作品タイトル。「俺のものはお前のもの、お前のものは俺のもの」(『尺には尺を』)「臆病者は本当に死ぬまでに幾度も死ぬ」(『ジュリアス・シーザー』)「〝今が最悪の状態?と言える間は、まだ最悪の状態ではない」 (『リア王』)「神は、我々を人間にするために、何らかの欠点を与える」(『アントニーとクレオパトラ』)「金は借りてもならず、貸してもならない。貸せば金を失うし、友も失う。借りれば倹約が馬鹿らしくなる」(『ハムレット』) 手紙などのプライベートな著作物が無い、署名が複数あってどれも書体が違うなどの理由で、「複数の人物の共作だったのでは」「位の高い貴族のペンネームだったのでは」と「別人説」が囁かれるなど、ご本人そのものも謎めいた、劇的な要素を持つシェイクスピア。堅苦しい、上演時間が長い、と敬遠する方もいらっしゃるかもしれないが、500年経っても変わらない人間の根っこのようなものを覗き見るのもまた一興。機会があれば是非ご観劇いただきたい。