CulCul 1月号 2014 page 6/16

CulCul 1月号 2014

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概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

6震災復興への願いと      漫画のパワーなっても、かつて「悪書」と激しく攻撃された頃の空気は根強く社会にあります。ただしその〝低さ?は、実は〝近しさ?でもある。日本において漫画は、読者のニーズをしっかり受け止めて描くことが第一に求められます。その結果、性や暴力も含め、読者の欲望を赤裸々に反映する部分があり、「悪書」と糾弾されてしまうのですが、その一方で、誰にも言えない痛みや苦しみを漫画だけが受け止めてくれる、そんな部分も確かにあるのです。 被災者の胸の奥、他人にはなかなか触れがたい心の傷に、漫画だからこそ何かを届けられるのではないか―――チャリティーに携わった漫画家たちがそう自負していたわけでもないでしょうが、「漫画家が出来る最善の貢献は漫画を描くことである」というプロ意識は感じ取れます。そして実際、日本の現代史の中で漫画は、人々の心にするりと入り込んで、希望や勇気を届けてきたのです。 敗戦後の焼け跡で、科学が発達し希望にあふれた未来を、強い反戦の意志と共に描いたのは手塚治虫でした。公害問題の表面化や『ノストラダムスの大予言』(1973年)ブームなど、未来を暗いかげりが覆った時代には、道を誤った科学と戦う 被災者支援のため何かしようという動きが、社会のありとあらゆる分野で活発に起きました。漫画の世界も同様です。いわゆるチャリティー形式の出版やイベントはもちろん、漫画家個人が普通にボランティアとして復興作業に従事した例も少なくありません。興味深いのは、そういった支援の動きの中で「漫画なんて描いてる場合か?」というためらいや戸惑いが、異口同音に漫画家自身の口に上ったことです。 日本において漫画は何となく〝低く?見られています。「クールジャパン」ともてはやされ、公営の漫画施設が珍しくなく 2011年3月11日の東日本大震災からまもなく3年。何年かごとに大きな地震が起きるのは火山国・日本の宿命のようなものですが、今回は格別に大きな衝撃を、被災者のみならず日本中の皆が受けたように思います。津波によって街が根こそぎ流されていく恐怖。原子力発電所の事故により今なお復興のめども立たない町や村が多数ある不安。被害の大きさだけでなく、信頼していた社会の根幹がもろくも崩れ去ったような喪失感があるのでしょう。『仮面ライダー』や、地球を絶滅から救うため命を賭ける『宇宙戦艦ヤマト』が一世を風ふうび靡しました。古くは関東大震災の頃にも、被災者の心のなぐさめにと新聞漫画『ノンキナトウサン』が登場、これが日本初の日刊連載漫画になりました。 北九州市漫画ミュージアムでは1月11日より、「震災復興と漫画」と題した展覧会を開催します。宮城県石巻市の復興に「石ノ森萬画館」が果たした役割についてのパネル展示。福島県南相馬市の伝統的な祭り「相そう馬まのまおい野馬追」の再開を支援するため漫画家たちが描き下ろし作品を提供した「武者絵展」(図版)の巡回開催など、東日本大震災からの復興に向け漫画と漫画家漫画hiroba表  智 之北九州市漫画ミュージアム 専門研究員漫画と北九州Tomoyuki Omote星野泰視『疾駆する』 c 星野泰視「震災復興と漫画」展【開催期間】2014年1月11日(土)~2月2日(日)【開館時間】※毎週火曜日(休日の場合はその翌日)休館午前11時~午後7時(入館は午後6時30分まで)【会場】北九州市漫画ミュージアム【入館料】常設展観覧料で観覧可能一般  400円  中高生  200円小学生 100円  小学生未満 無料【お問合せ】※12月29日~1月3日は休館北九州市漫画ミュージアム 093(512)5077Informationがどう貢献しようとしたかをご紹介します。漫画という表現が持つパワーに触れていただきつつ、震災3年目の春に想いを致していただければ幸いです。催事情報を見る