CulCul 2月号 2014 page 3/16

CulCul 2月号 2014

このページは CulCul 2月号 2014 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2014.Februaryげて劇を止め、意見を言う。その意見を聞いた役者が即興で演じる。当然劇の流れはどんどん変わっていく。時には観客が役者と交代し実際に問題解決を試みる場合もある。 もともと、ブラジルにおいて抑圧、差別された人民が社会的状況を変えていく力を持つことを目指して行われたもので、ボアールは彼の著書『被抑圧者の演劇』の中で「変革へのリハーサル」と呼んでいる。1965年から71年にかけてサンパウロの劇場で芸術監督を務めていたボアールだが、ブラジル政府からの弾圧を受けてヨーロッパへ亡命した。その後も、フォーラムシアターの形をより心理的深部に迫れるようにした「欲望の虹」「頭の中の警官」などの手法を発案し、演劇や教育などに様々な影響を与えた。 この、フォーラムシアターは、日本ではまだまだ知る人の少ない手法だが、意欲的に展開している団体も存在する。積極的に手をあげて自分の意見を言えない日本人向けに、ただ「やめて!」と声をかければいいものや、ベースとなる劇をワークショップ形式で観客と共に作成するなど様々にアレンジされている。 北九州では、「NPO法人 子どもとメディア」が電子メ 「フォーラムシアター」という演劇の形をご存じだろうか。ブラジルの演出家アウグスト・ボアールが発案した観客参加型の演劇だ。 最初にベースとなる短い劇を上演する。その劇には、なんらかの「問題」があって、人間関係やコミュニケーションが上手くいっていない様子が描かれている。その後、同じ劇をもう一度上演するのだが、その際、観客が「ここをこうすれば状況が良くなる」「この人がここでこう言えばよいのでは」など、問題解決法を思いついたら手を挙演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsukaフォーラムシアター『クロダ家の場合』フォーラムシアター『着ぐるみアテンド編』観客参加型の演劇     「フォーラムシアター」ディアとコミュニケーションを考えるためのプログラム『メディアとのより良い付き合い方?シアタープロジェクト』にこのフォーラムシアターの手法を取り入れている。また、「NPO法人 KID's work」は「子ども・若者支援センターYELL」との共同事業の中でこのフォーラムシアターに継続的に取り組んでいる。これらの事業で実際にフォーラムシアターを制作、上演しているのは「Dramatic DeliveryNetwork」という、北九州とその近郊に住むアーティストのネットワークだ。「飛ぶ劇場」の寺田剛、木村健二、「劇団黄色い自転車」の井上沙紀、「劇団C4」の大福悟、「演劇関係いすと校舎」の守田慎之介、「インプロ集団MOSAiQUES」の吉柳佳代子など、出演者も多彩かつ豪華。ニーズがあれば、どのような上演形態にも対応できるということなので、興味がある方は是非ネットワークにアクセスしていただきたい。 フォーラムシアターを制作、上演するのは決して簡単ではない。まず力のある役者が必要だ。なぜならば、観客からどんな意見がでるかわからないので、常に完全即興であるということ、そしてその即興によって起こるシーンの変化に〝ウソ?があってはならないからだ。また、ベースの劇にいかに問題を上手く織り込んでいけるか、観客の問題解決意識をいかに刺激するかで、劇作家、演出家の力も試される。フォーラムシアターができる演劇人がこれだけ居るという事は、北九州が「演劇の街」であると言う証拠の一つかもしれない。