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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2014.May光本町商店街アイアンシアター)である。「学生演劇をもっと熱い場に、もっとたくさんのひとに、もっとたくさんの可能性と発見を」をスローガンに、学生が実行委員会を結成して行った学生演劇コンペティションだ。各団体が45分以内の作品を持ち寄り上演し、最終的に観客の投票によって優勝団体を決めるシステム。優勝賞金は5万円というから、手弁当が当たり前の学生演劇のチャレンジ意欲を大いにくすぐるに違いない企画である。 今回の参加は3作品。「舞台創作コロニーBackStage」『狐の嫁入り』(作・演出:國吉匠)「演劇ユニット 永久磁石」 『或る棋士の肖像』(作:工藤菜香/演出:鈴木春弥)「劇団ジャムパン」『そして笑みを浮かべる』(作:楽静) 3つ目の団体「劇団ジャムパン」は、2012年に北九州芸術劇場で行われた「高校生のための演劇塾」のモデル上演作品『放課後ジャムパン』(作:鵜飼秋子/演出:後藤香)の出演者によって結成された劇団で、メンバーは高校を卒業したばかり。「演劇塾」の演技演出講座 「演劇の街」とは一体どんな街か、と聞かれたら、私はおそらく即答するだろう。「多種多様な人が多種多様な演劇の形を楽しむことができる街だ」と。立派な設備の劇場があるとか、劇場や劇団の数が多いとか、そういったものは枝葉末節だ。街の人々が、様々な演劇の形と、それぞれの魅力を知っている街、それが本来の「演劇の街」の形ではないか、と思う。 この春、この街で「演劇の幅広さ」を堪能させてくれる作品がいくつも上演された。その中から2つほどご紹介したい。 まずは、「ふくおか学演祭2014」(3月21日?23日/枝演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka「ふくおか学演祭2014」チラシ劇団青春座『エンディング・ノート』チラシ 演劇の街・北九州市の今を担当させてもらった身としては、非常にうれしい限りである。今回の公演以降の活動予定は不明だが、こうした若い演劇がもっともっと活発に上演されるようになることを期待する。また、この「ふくおか学演祭」も「北九州演劇フェスティバル」「えだみつ演劇フェスティバル」「海峡演劇祭」に続く4つ目の演劇祭として継続開催してほしい。 若者が元気に輝いている一方、大人のエネルギーも負けてはいない。老舗中の老舗「劇団青春座」が5月に第222回公演を行う。演目は『エンディング・ノート』(作:橋本和子/演出:井生定巳/5月17日・18日/北九州芸術劇場中劇場)。これは、「終活」つまり「人生の終わりのための活動」をモチーフにした作品。豪華客船「モラトリアム号」に乗り合わせた70歳以上の乗客たちのエピソードが重なりあう群像劇だ。 「ふくおか学演祭」参加作品や、近年めきめきと頭角を現している若い劇団の作品を観ていると、若者が、まだ見ぬものを想像し、恐れず、かつ軽やかにそれを乗り越えていく展開が心地よい。一方、「青春座」の舞台を観るたびに、演じる役者が、自身の人生の引き出しから丁寧に実体験を取り出しては確実に積み上げていく様に舌を巻く。どちらも、その時期、その年齢でしか出せない「生」の魅力とでも言うべきものなのだろう。その両方を楽しめる街。それが今の北九州市だ。