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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

Information画業40周年記念追悼企画「畑中純展~小倉に帰ってきたどぉ~っ!」【開催期間】4月26日(土)~6月22日(日)【会場】北九州市漫画ミュージアム【開館時間】午前11時~午後7時(入館は午後6時30分まで)※毎週火曜日休館(4月29日・5月6日は開館、5月7日は振替休館)【入館料】一般300円 中高生150円 小学生100円<常設展とのセット券>一般600円 中高生300円 小学生150円【お問合せ】北九州市漫画ミュージアム093(512)50776手仕事の熱量、展示で体感 漫画の「原画展」、つまり漫画の原稿を展示する展覧会が、当館を含め全国の様々な施設で数多く開催されています。漫画自体は非常に身近でも、その原稿を間近に観る機会はあまりないわけですが、さて、生の漫画原稿の見どころとはどういったものでしょうか? 単に漫画を読みたいなら、雑誌なり単行本なりを手に取ればいいことですし、そもそもほとんどの原画展では、作品のごく一部を抜粋して展示していますから、中身を読むには向いていません。 原画展の見どころの第一は、カラーのイラストレーションです(図1)。雑誌のカラーページや、単行本の表紙などのために描かれるものですが、漫画の場合、迅速かつ安価に印刷するため、原画の色合いを活かしきれない場合が多々あります。本来の色合いで、絵自体を純粋に、大きなサイズで鑑賞するのはやはりよいものです。 さらにもう一つ、漫画家の存在感を身近に感じられることも大きな見どころです。漫画家がカリカリとペンを走らせた結果として目の前の素晴らしい絵が生み出されたという実感は、雑誌や単行本では実感しがたい、原画展でしか得られないものです。 作者の存在感はむろん、通常の美術展でも感じられますが、漫画原稿の場合、その圧倒的な物量が格別の感動を生むことも特徴でしょう。物語を考え、所定のページ数に収まるよう構成し、一コマ一コマの構図も工夫した上で、原稿用紙に絵を描いていく。月刊連載なら毎月、週刊連載なら毎週、30?40枚の原稿を仕上げる。凄まじい仕事量です。当然、アシスタントを何人も雇い、背景の作画や、髪の毛のような黒い部分の塗りつぶしなどの仕上げは任せることが漫画hiroba表  智 之北九州市漫画ミュージアム 専門研究員漫画と北九州Tomoyuki Omote(図2)畑中純「愚か者の楽園」原稿(図3)畑中純の作画道具と愛用品(図1)畑中純「まんだら屋の良太」より通例です。 しかし今回、当館で回顧展を開催する畑中純の場合、細かな仕上げや補助を奥様が担当する他は、たった一人で描き続けていました。そうやって作画すると、人物と背景が同一のペンタッチで一体化した漫画が仕上がります(図2)。一方、人物と背景を分業して作画すると、背景がある種無機的に仕上がり、人物と背景がやや乖かいり離します。実は漫画としてはその方が読みやすいのですが、漫画原稿を一種の絵画として鑑賞するなら、畑中のようなスタイルの方が完成度が高く、味わい深いものです。 しかも畑中の場合、20年近くも週刊連載を手がけ、週刊連載2本という時期も少なからずありました。驚異的な仕事量です。絵の巧さもさることながら、絵を描くことが心底から好きでなければ続くものではありません。今回の回顧展では、畑中の実際の仕事道具や愛用品(図3)を多数お借りして、畑中の仕事場のイメージ展示も作成しました。畑中の手仕事の熱量、湧き上がる創作意欲と、描くことへの愛情を、感じ取っていただけると幸いです。催事情報を見る