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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

7 CulCul 2014.June昨年の公演「切り裂かれたキャンバス」より80 年代のニューヨーク・アートシーンを駆け抜けたバスキア 1980年代のニューヨークは、街中や地下鉄にグ※1ラフィティが溢れ、クラブを中心にヒップホップなどのミックス・カルチャーが勃興し、刺激を求める若者が世界中から集まる街でした。後に世界のトップスターとなったマドンナが、成功を夢見てダンスホールで踊っていた頃、同じニューヨークの街角や地下鉄に「SAMO(SameOld Shit:つまんねー)」とサインの入ったグラフィティが目につくようになります。アート関係者の間でも話題となったこのグラフィティの作者は、ジャン・ミシェル・バスキアとその友人。 ベトナム戦争が始まった60年12月、バスキアは、ハイチ出身の父とプエルトリコ系の母の下、ニューヨークで生まれました。アート好きな母親の影響で幼い頃から絵に親しんでいたバスキアは、10代から路上での表現を開始。高校を中退後、家を飛び出し、自作のポストカードやTシャツを売りながら、アーティストとしての成功を夢見ていました。ところが、あるグループ展への参加をきっかけに、新しい世代を代表する画家として一躍脚光を浴びるのです。モテること、売れること、絵を描き続けること やがてポップ・アートの巨匠アンディ・ウォーホルにも認められたバスキアの評価は益々高まり、その作品は高値で取引されるように。高級スーツを着崩したドレッドヘアのバスキアは、そのスタイリッシュな立ち振る舞いと、当時アート界では少数派の黒人だったことから、「ブラック・ピカソ」とも呼ばれ、アート界のアイドルのように扱われました。 今話題の若手アーティストに近づこうと、バスキアの周りにたむろするギャラリストやコレクター。突如手にした名声とお金。あれほど「有名になりたい」と思っていたにも関わらず、いざ手にすると足かせのように自身の表現を縛る「成功」の不思議。多大な賞賛と、その陰に潜む根強い人種差別。周りの人は出演・穴迫信一(ブルーエゴナク)、折元沙亜耶、木村健二(飛ぶ劇場)おろか、自分の才能をも疑いはじめ、次第に自分自身を失っていくバスキア…。アーティストになるということ、アート界で生きるということ 北九州市立美術館の所蔵品から一点を選び、作品にまつわる物語を演劇的手法で浮き上がらせるシリーズ第二弾となる本作は、若くしてニューヨーク・アート界の寵ちょうじ児となり、成功と孤独の内で27歳の生涯を閉じたバスキアの絵画を取り上げます。バスキアの作品と出会ったことでアーティストを志す一人の若者と、彼を取り巻く人々との対話を通し、「作品の良し悪しはどのように決まるのか?」「アートの価値とは?」といった、アートの普遍的な問いに迫ります。10年足らずの作家生活で数千枚にも及ぶ絵画やド※2ローイングを残したバスキア。路上で手にした独自の表現スタイルと、旺盛な表現欲は今も多くの人々に影響を与え続けています。 今回も会場となるのは劇場ではなく美術館。演劇作品を観賞後、学芸員の解説と共に、本物のバスキアの作品を鑑賞します。アートと演劇の融合から広がる豊かな世界を体感してください。美術館で演劇×アート。注目のコラボ公演第二弾!成功を夢見る若きアーティストの恋と青春と七転八倒。北九州芸術劇場×北九州市立美術館分館vol.2モテたい売れたい僕らアーティスト~アート界のスター・バスキアに憧れた若者の、愛と青春と勘違いの物語~※1 スプレーなどを使い、壁などに描かれた落書きのこと。※2 木炭や鉛筆などを使って描く線画のこと。※日時は、12ページの北九州市立美術館分館の欄をご確認下さい。催事情報を見る