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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2014.August演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka劇団C4『三人娘。~夢見る頃も過ぎちゃった、けど~』チラシオマールアルヴァレスパペットアートカンパニー『スズの兵隊』公演写真〝小さな〟演劇空間の魅力 今年の7月は〝小さな場所での公演?が目立った。 北九州芸術劇場には「大ホール」「中劇場」「小劇場」という3つの劇場がある。もちろん、一番小さな空間は「小劇場」である。 その小劇場にて、7月19日・20日、アルゼンチンの人形劇団「オマールアルヴァレスパペットアートカンパニー」の『スズの兵隊』が上演された。夏の定番イベントになりつつある「大人も一緒に 子どもたちの劇場シリーズ」のラインナップの一つだ。一人の演者がいくつものパペット※ を使いながら紡いでいく上質な作品。何より、最後列からでも演者の呼吸を感じられるタイトな空間での演劇体験は、子どもにとっても非常に貴重なものだと思う。 しかし北九州芸術劇場には、この「小劇場」よりも小さな公演空間があるのをご存じだろうか。芸術劇場には、「創造工房」というエリアがある。そこには「稽古場」や「セミナールーム」、シャワーも備えた「ロッカールーム」もある。普段は主催事業の稽古や、ワークショップなどに使用されている場所だ。 芸術劇場は、平成25年度から『シアターラボ 北九州芸術劇場 創造工房「ステップアッププログラム」』と銘打って、「創造工房」内の「稽古場」を、公演会場として利用できる事業を始めた。 このプログラムを利用して、昨年度は「ショーデン隊」「だーのダンス」「バカボンド座」が公演を行った。そして、今年度は「成長剤」が7月4日?6日、『勝って生きろ。』(作・演出:平林拓也)を上演した。 この「創造工房」での作品上演は「ステップアッププログラム」だけではない。前述した「子どもたちの劇場シリーズ」参加のもう一つの海外劇団「ヘリオスシアター」の『木のリズム』(ドイツ)の会場が「創造工房」だった。さまざまな木の出す音を楽しむ、というコンセプトの作品には最適な会場であったように思う。その特性をうまく生かせば小劇場以上に魅力的な場所になるかもしれない、さまざまな可能性を帯びた場所だと感じた。 芸術劇場以外にも魅力的な「小さな公演空間」はたくさんある。小倉北区にあるライブハウス「Live in sometimes」で、「舞台集団コンビニ」が『スイセイ』(作・演出:ふくちよ/7月12日・13日)を。続けて「劇団C4」が『三人娘。?夢見る頃も過ぎちゃった、けど?』(作・演出:大福悟/7月18日?21日)を上演した。 実は、小さい場所だからといって決してお手軽ではないのだ。逆に、小さな、そして、本来劇場として設計されていない場所を「劇場」に変えるには、かなりの知恵と勇気が必要になる。観客はすぐ目の前だ。下手な「嘘」をつけばすぐにばれてしまう。一番大切な「嘘」をリアルとして成立させるために、どれだけのアイディアを絞り出せるか。それによって、作品の出来も大きく変わってくるので、劇団の体力が大きく試される場であると言ってもいいのかもしれない。 今後もどんな魅力的な〝小さな?演劇空間に出会えるか楽しみだ。※  人形劇などで使われる操り人形