ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2014.August美術hiroba 花 田 伸 一北九州アートめぐりキュレーターShinichi Hanada美術作品をめぐるドラマ内容や当時の時代背景などが分かりやすく噛み砕いて説明されています。それは学習漫画にも似た感じで、いわば新たなスタイルの良質なギャラリートークだと私は思いました。 今年取り上げられたバスキアの場合、彼がたどった人生そのものがドラマ性に満ちたものでした。彼は1980年代に若くして注目を集め始め、スターとして祭り上げられる中ドラッグ過多により早そう逝せいするという、アーティストの典型ともいえるドラマティックな人生を送っています。 今年の演劇ではバスキアの人生や作品にももちろん触れられていましたが、それ以上に登場人物同士で繰り広げられるヒューマンドラマに重きを置いていました。登場人物たちはバスキアの人生を一つの参照例としながら、それぞれ自らのアーティストとしての成功、幸福をどう考え、どう進むかについて対話を重ねて行きます。観客もそれぞれ自らの立場に置き換えながらドラマを堪能できた事でしょう。 劇場と美術館のコラボ企画。今後も継続されるという事で楽しみです。昨年はドガが残したミステリアスな作品から広がるドラマ、今年はバスキアが歩んだ波乱万丈な人生から広がるドラマが描かれました。それぞれドラマティックな題材が取り上げられ、それらに演劇としての形を与えられたわけですが、今後例えば全くドラマティックでなさそうな美術作品を取り上げながらも、逆にスリリングなドラマを展開する事は可能でしょうか。それは一体どのようにして可能になるのでしょうか。の立場の悩みを抱えています。アーティストの成功とは何か、アーティストの幸せとは何か、自分の人生をどう歩むべきかといった本質的なテーマに加え、微妙な三角関係も交えつつ、ドラマが進行していきます。 さて、美術作品をめぐって演劇を制作するにあたり、どこにドラマを見出すか、どのようにドラマを成立させるかというところが、脚本家の腕が発揮される部分でしょう。それはドガ作品にも、バスキア作品にもいえる事です。 ドガ作品の場合は、作品の右側3分の1が切り取られており、その作品自体がすでにミステリアスな謎を秘めたものでした。昨年の演劇ではドガ作品の 北九州市立美術館が所蔵するジャン・ミシェル・バスキアの作品を題材として新たに書き下ろされた演劇『モテたい売れたい僕らアーティスト』を見てきました。これは北九州芸術劇場と北九州市立美術館のコラボレーションによる企画で、昨年のエドガー・ドガ作《マネとマネ夫人像》(北九州市立美術館蔵)を題材とした『切り裂かれたキャンバス』に続く第2弾となります。 『モテたい、売れたい、僕らアーティスト』では3人の登場人物が出てきます。3人とも表現に関わる人たちで、それぞれ作・演出 泊篤志(飛ぶ劇場)出演 穴迫信一(ブルーエゴナク)、折元沙亜耶、木村健二(飛ぶ劇場)