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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2014.September美術hiroba 花 田 伸 一北九州アートめぐりキュレーターShinichi Hanada自然とアートと藝術とた字です。つまり人間が自然に対して何らかの働きかけを行う様子から字が生まれたわけです。ここでは人間と自然とが対比されるというよりも、人間が自然の力に寄り添いながら何らかの生産的な営みを行っています。 ちなみに「芸」は訓読みを「くさぎる」と読み、「草を刈る」という意味があります。これでは植物を植えるという意味の「藝」とは反対の意味になってしまうので、美術関係の団体の中では今でも「芸」ではなく「藝」の字を用いるところが少なくありません。 「アート」と「藝術」。これらの語の成り立ちを「自然」を介しつつ改めて振り返ってみると、私たちの住む日本の大地の風土から立ち上がってくる新たな「藝術」観が生まれてくるのではないでしょうか。のは「ネイチャー」、つまり「自然」です。ここでいうアートとは「芸術」という意味である前に、「人間が自然に手を加えたもの」「人間によって生み出されたモノ・コト」「人間による技」という意味で用いられています。そしてネイチャーとは空、海、山などを思い浮かべるよりも前に、「神さまによって創造されたもの」という意味で用いられています。いうまでもなくこれはキリスト教の世界観に基づいています。「神が創造したもの」であるネイチャーに対して、「人間が生み出したもの」であるアートと対比して考えるという世界観がその背後にあるわけです。 さて東洋ではどうでしょう。アートの訳語として用いられる日本語は「芸術」です。今では「芸術」と書くこの語には、もともと「藝術」という漢字が用いられていました。この「藝」という漢字は「植物に手を添えて土に植える」様子から生まれ 黄金の稲穂が風にたなびく里山の風景を見て「ああ、芸術的だ」と感動する人は少なくないでしょう。9月は稲刈りの季節。収穫の時期を控え、今月は自然とアートの関係について考えてみましょう。 先に西洋における考え方から。皆さんはアートの対義語を知っていますか? 日本人でしたら普段アートの対義語など考えた事もないと思います。実は西洋でアートの対義語にあたる