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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2014.November演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka「Y_ukio suzuki」公演写真(ラトビア)「6-dim+」メンバー 2009年の開館以来、街と劇的な物を繋ぐ存在として、さまざまなイベントを行ってきた「枝光本町商店街アイアンシアター」が、10月10日?12日、『えだみつまちなか芸術祭』を開催した。 参加団体は「すんぷちょ」(仙台)、「短距離男道ミサイル」(仙台)、「Dディビエイトドット コー EVIATE.CO」(東京)、「Baobab」( 東京)、「Yユキオ_ukiosスズキuzuki」(東京)、「6ロクディム-dim +」(東京)の6団体。どの団体も、国内外のさまざまな地域で「人と触れ合う」作品創りをしてきた団体だ。 この6団体の公演すべてが、枝光の街の中で行われる〝野外公演?であるところが、流さすが石アイアンシアターの企画、というところか。上演時間も、昼間、夕方、夜などさまざまで、時間帯によって変わる街の姿を借景として展開される演劇空間が、非常に興味深いプログラムだ。 他に、イスラエルのヨガや身体表現の指導者、マタン・シェーカーの『ボディコンディショニングワークショップ』も行われた。彼もまた、作品創りやワークショップを通じて、さまざまな土地や人と触れ合った体験を持つ。実は、イスラエルは斬新なコンテンポラリーダンスのカンパニーが数多く存在し、現在、世界から注目を浴びている場所だ。日本国内でも貴重な〝世界の動き?を感じられる機会となっただろう。 プログラムには、他にも『枝光キッズコレクション』と銘打った北九州の〝物作り?クリエーターと、子ども達がタッグを組み、古着をリメイクして、街中でファッションショーを行うといった企画も含まれており、まさに 〝まちなか?をよく知っている劇場が企画した芸術祭となっていた。 さて、参加団体の中でも、今後、特に注目したいのは、「6-dim +」だ。 2010年の結成以来、東京、愛知、大阪、三重、福岡、新潟、福島など、80を超える公演、20近いワークショップを行ってきた即興パフォーマンス集団だ。2014年春には、マジシャンのパルト小石と、落語家の柳家花緑と共に、新たな形でのエンターテインメントに挑戦するなど、常に前進を続けている。 彼らのステージを観に行くと、観客は、開演前に、小さな紙を渡される。そこには「大人になった貴方に子ども時代の貴方から一言」や「一度は行ってみたい場所」などを書き込むようになっている。 ステージが始まると、メンバーは、ランダムにその紙を引き、書いてある言葉をタイトルにしたり、台詞にしたりしながらシーンを創っていく。〝即興?なので、事前にネタを練る事もできないし、もちろんパフォーマー同士の打ち合わせも全くない。物語がどうなっていくのか、どこで自分が書いた言葉が使われるかをドキドキしながら待つのもまた一興だ。 「6-dim +」のキーワードは「この瞬間を一緒に笑おう。」だ。観客の心を掴み、笑わせる事に関しては、彼らは他の即興パフォーマーに比べて群を抜いて秀でていると言っていいと思う。ただ、それだけに、単なる一過性のコメディショーではなく、人間の気持ちの摩擦に迫る〝演劇的な?瞬間を作りだすことも追求していってほしい、とも思う。 今後、〝即興?が演劇のジャンルとして認知されていくのか、彼らの動きと合わせて注目していきたい。『えだみつまちなか芸術祭』