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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2014.December演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka九州大学演劇部『桜刀ーさくらがたなー』劇団C4『どんと・すとっぷ・みー・なう!!』チラシ 今年も『海峡演劇祭』が11月1日から30日まで、門司区の海峡ドラマシップで行われている。 以前、ここでも紹介した事があるが、この演劇祭の大きな特徴は「テーマ性」である。毎年設定される一つのテーマに基づいて、様々な、しかし、一本筋が通った作品群が上演される。雑多な見本市的演劇祭とはまた違った楽しみ方が出来る、ユニークなコンセプトの演劇祭である。 5回目を迎える今年のテーマは「青い道に、残していく足跡」。 「今後さらに伸びていく期待の若手劇団」に注目、福岡市、北九州市からそれぞれ2団体ずつ、計4団体が参加。 福岡からは、「九州大学演劇部」が『桜刀―さくらがたな―』を、また、「福岡盛り上げ傾かぶきもの奇者集団 鐡くろがね」が『乾けんこん坤一いってき擲?ひちゃかちゃがんがん参ろうか!?』を上演。 北九州からは「ブルーエゴナク」が『HAPPY』を、そして、「超人気族」が『廃はいおく屋のひとみ』を上演した。 「平和」「子ども」「憤」など、社会性の強いテーマが続いていただけに、今年のテーマはいささか柔らかくなった印象がぬぐえない。しかし、少なくとも、若者が「今しかできない」作品に取り組んでいる様子そのものは非常に劇的だった。来年のテーマが何になるのか、今から楽しみだ。 さて、前回は『枝光まちなか芸術祭』、今回は『海峡演劇祭』と、「芸術の秋」である10月、11月に行われた2つの演劇祭を紹介してきたが、ここで、同時期に行われた、地元劇団の自主公演をいくつか紹介したい。 10月には、「劇団C4」が新作「どんと・すとっぷ・みー・なう!!」(作・演出:大福悟/10月11日?13日/ CAFE DEFANFAN)のリーディング公演を行った。この劇団は近年「シリーズ物」に取り組んでいる。作品を観るたびに、登場人物の隠されたエピソードや、新たな展開を発見する事ができる仕掛けだ。このリーディング作品にも、現在展開している『三日月探偵社』シリーズに関連する情報が含まれており、1月の公演に期待を持たせる内容となっていた。 11月には「劇団青春座」が『わるいやつら』(原作:松本清張/作:柏田道夫/演出:井生定巳/11月8日・9日/北九州芸術劇場中劇場)を上演。劇団の223回公演である。一癖も二癖もある人物ばかりが登場する難易度の高い作品に挑戦した。このチャレンジ精神が、69年間の長きにわたって活動継続を可能にしているのだろう。頭が下がる。 また、同じく11月、「飛ぶ劇場」が『豚の骨』(作・演出:泊篤志/11月13日?16日/北九州芸術劇場小劇場)を上演。個人的にもラーメン好きである事が知られている作者の「ラーメン愛」が垣間見える「豚骨ファンタジー」。ラーメン店店主のアフタートークも企画されており、演劇好きだけでなく、ラーメン好きの心もくすぐる仕掛けがなされていた。 若い劇団間では、客演を含めた交流が積極的に行われているようだが、観客はどうだろう。どの劇団にも固定客はしっかりついているが、それが回遊するようになれば、また面白い展開も生まれてくるのではないかと思う。芸術の秋は終わっても、まだまだ地元の劇団は元気に活動している。是非公演情報をチェックして、未知の劇団公演にも足を運んでみていただきたい。『海峡演劇祭』