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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

6 漫画―未知の世界への入口『宇宙兄弟』で感じる宇宙 漫画hiroba石 井   茜北九州市漫画ミュージアム 学芸員漫画と北九州Akane Ishii 体験した事がない事を面白そうだと感じたり、食べた事がないものを美味しそうだと感じたり…漫画を読んでいて、そのような感覚を持った事はありませんか。漫画は描かれる人物や物事を通して擬似的に恋愛や冒険といった「人生」を体験できる、また自分にとって「未知のもの」を知るきっかけとなるツールでもあります。 ビジュアルと物語、両方の要素を持ち、同じような効果があるものとして映画やテレビドラマなどが挙げられますが、特に漫画において特徴的なのが裾野の広さ。読者層には若年者から高齢者、性別や職業の区別なくさまざまな人が存在していますし、それを受けてか描かれていないジャンルはないと言っても過言ではないほど膨大な種類があります。また、年々作品の多様化は進み、次々と新たな視点の作品が誕生。マイナーであった題材が、漫画に取り上げられる事で急激に世間の注目を浴びるようになったという事例も数多くあります。 以上の様に多様なジャンルが存在する漫画。職業モノで言えば、会社員や学校の先生といった身近な職業から、宇宙飛行士や一国の首相や大統領といったなかなか手が届かない職業まで、漫画は網羅しています。特に後者を実際に体験する機会なんて、そうそうありません。どうやってその職に就くのか、どんなことをしているのか、そのような事を想像するのすら難しいかもしれません。しかし、「絵」と「言葉」、そして登場人物たちの回想や「モノローグ(心のInformation「宇宙兄弟展」【開催期間】2014年11月15日(土)~15年1月25日(日)【場所】北九州市漫画ミュージアム企画展示室(あるあるCity5階)【開館時間】午前11時~午後7時(入館は午後6時30分まで)【休館日】火曜日(12月23日・12月30日は開館、12月24日は振替休館)年末年始(12月31日~1月2日)【入館料】一般800円 中高生400円 小学生200円〈常設展とのセット券〉一般1000円 中高生500円 小学生250円【お問合せ】北九州市漫画ミュージアム 093(512)5077声)」で細かな文脈を表現する事に長けた漫画であれば、具体的な状況を理解する事が出来る上、登場人物の心情も分かるため、没入して作品を読む事ができます。そのため、擬似的にではあれ、漫画上で起こっている事を「体験」したように感じるのです。 『宇宙兄弟』は宇宙飛行士に憧れる人にはうってつけの作品でしょう。物語は主人公の南なん波ば六むった太がJAXAによる宇宙飛行士選抜試験を受験するところから始まります。一筋縄ではいかない試験を突破した先にあるのは、JAXAとNASAでの訓練と勉強漬けの日々。数年の時間をかけて、ようやく六太は月へ行くミッションに選抜されるのです。このように、宇宙飛行士になり、実際に宇宙へ行くまでの道を、読者は六太と一緒に段階的にたどる事ができるのです。綿密な取材を元に構成されたこの成長物語は、非常にリアリティを持って描かれています。また六太の親しみやすい、等身大の姿が、それをより一層強いものにしています。遠い宇宙、そしてそこで活躍する人々を身近に感じたいのなら、『宇宙兄弟』を読むのが一番の近道かもしれません。『宇宙兄弟』の単行本(漫画ミュージアム所蔵)c 小山宙哉/講談社絵と言葉で六太の感情が豊かに表現されている(『宇宙兄弟』8巻64ページ)催事情報を見る