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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2015.January演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka中間高校『ペンとケンと』舞台写真 『第26回福岡県高等学校芸術・文化連盟演劇部門北九州地区大会』が10月24日?26日、八幡市民会館で行われた。 今年の出場校は、小倉商業高校・八幡高校・明治学園高校・北九州高校・戸畑工業高校・東筑高校・西南女学院高校・ひびき高校・小倉高校・折尾高校・戸畑高校・八幡南高校・中間高校・門司学園高校の計14校。結果は▽優秀賞小倉高校『花のワルツ』(作:木本潤)八幡南高校『エール』(作:古川杏・向坂勝海)中間高校『ペンとケンと』(作:小原雅之)▽創作脚本賞北九州高校『高校デビュー支援機構』(作:石田ななみ)▽舞台美術賞東筑高校『モノクローム』(作:高永美歩)▽奨励賞小倉商業高校 『夢の途中』(作:城戸いちご)となった。 毎年、この大会が行われる数日間、会場の八幡市民会館は一種独特の雰囲気に包まれる。 会館前の駐車場に車を止めて外に出ると、必ずどこかの高校が、2階のテラスで発声練習をしている様子が目に入る。「本番前にあんなに叫んでいいものか」と心配になる高校や、「いや、そんなやり方じゃ、台詞をはっきり喋しゃべる事にはつながらないでしょ」と老婆心丸出しでつっこみたくなるような高校も。同じ台詞を何度も何度も繰り返して怒鳴る声も聞こえる。きっと自分の演技に納得していないのだろう。 2階のテラスは、各校の大道具の置き場所にもなっていて、あちらこちらにブルーシートで覆われた、大小さまざまな物が置かれている。発声練習だけでなく、実際に道具を飾って、スタンバイ直前までリハーサルをやっている学校もある。 客席に座って開演を待っていると、後ろの席の「うちの後輩、真面目系の脚本しか書けないから、アドバイスしてあげないと」「私、卒業したら、○○さん(地元劇団で人気の劇作家)に弟子入りしたい!」などという会話が耳に入る。 終演後ロビーに出ると、妙に高いテンションで歓談している生徒の固まりが点在している。熱気と、緊張感が入り混じった、不思議な雰囲気だ。 私が北九州の地区大会に足を運ぶようになってもうずいぶん経つが、生徒は確実に入れ替わっているはずなのに、会館の雰囲気だけは変わらない。若者が「何かを表現したい」というエネルギーは変わらないと言う事か。 実は、私にも同じような経験がある。私の初舞台は、筑豊地区の高校演劇の大会で、会場はかの「嘉穂劇場」だった。高校生の私にとっての嘉穂劇場での経験は、最高にわくわくするものだった。現在も、筑豊地区の地区大会は嘉穂劇場で行われている。筑豊地区は演劇部の数がめっきり減ってしまったと聞いているが、今でも、変わらない『第26回福岡県高等学校芸術・文化連盟演劇部門北九州地区大会』小倉高校『花のワルツ』舞台写真熱気が劇場を取り巻いているのだろうか。久しく足を運んでいないが、きっとそうであろうと思う。 高校生たちにとっては、八幡市民会館での経験は一生の思い出になるに違いない。「劇場」は単なる「箱」でなくて、人々のもっと深いところに影響を及ぼす「場」である事に改めて思いをはせた。