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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

4います。 『密教の水源をみる』の空海、『思し託たくと元げん開かい』の鑑真、『文豪』の坪内逍しょうよう遥などにも続く、この〈徹底して人間を人間として見る視線〉が、生涯変わらぬ清張文学の本質です。また『眩人』は、清張古代史テーマの一つ、〈ペルシア・ゾロアスター教(徒)の日本伝来〉に象徴される東西文化交流の問題を扱った作品です。その魅力と膨大な研究努力の跡を、存分にご紹介します。 さて、今回のもう一つの目玉は、清張所蔵のガンダーラ仏と、平山郁夫画伯の『眩人』挿絵原画の展示です。清張は1976年の暮れに日本画家の平山氏と対談※しました。その掲載誌面に3体のガンダーラ仏の写真が載っていますが、これは清張の収集品で、この日のためにわざわざ自宅から運んだものだそうです。平山氏との対談への特別な想い入れがうかがえます。このとき、『眩人』の挿画は平山氏が描くことに決まっていました。自らデザイナーであり美術に造ぞう詣けいの深い清張は、シルクロードなど東西文化交流に共通の関心をよせる平山氏の挿画が、自作を飾ることに喜びを感じ、そのことが特別な想いにつながったのでしょう。 この機会にぜひ、これらのガンダーラ仏と平山氏の『眩人』挿絵原画をご鑑賞ください。寒い冬の一日、文学展とはまた雰囲気の異なる、美術鑑賞の楽しみを味わって、身も心もあたたまるひと時を過ごされてはいかがでしょう。 北九州市立松本清張記念館では、1月10日から、『眩人――松本清張と東西文化交流』展を開催します。 『眩人』という作品は、唐の都長安と天平の奈良を背景に大規模な歴史と人物群像を描く、壮大な歴史小説です。高僧・玄げん昉ぼうや光明皇后、聖武天皇などの歴史上の人物が数多く登場しますが、清張は権力者の編んだ歴史に記された彼らの《聖なる》像そのままでなく、あくまでも〈人間らしく〉彼らを蘇生させ、人間が躍動する小フィクション説に仕立てて文芸hiroba 中 川 里 志北九州市立松本清張記念館 学芸担当主任Satoshi Nakagawa清張アラカルト特別企画展『眩げん人じん――松本清張と東西文化交流平山郁夫原画+ガンダーラ仏ぶつ』開催北九州市小倉北区城内2の3093(582)2761【常設展観覧料】一 般 500円中高生 300円小学生 200円【開館時間】午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで)【休館日】年末(12月29日~12月31日)Informationガンダーラ仏(清張所蔵)『眩人』挿画原画(平山郁夫シルクロード美術館所蔵)『眩人』挿画原画(平山郁夫シルクロード美術館所蔵)ガンダーラ仏(清張所蔵)※ 「ペルシャから奈良への道 日本文化の根源を探る」(平山郁夫対談)  1977年1月1日・8日・15日、「週刊読売」。87年10月、『平山郁夫[ 対談集]   ペルシャから奈良への道 東方の夢 遙か』(美術年鑑社)に収録された。催事情報を見る