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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2015.January美術hiroba 花 田 伸 一北九州アートめぐりキュレーターShinichi Hanada「ENCOUNTER既知との遭遇」展に寄せて 美術教育には常に大きなジレンマがつきまといます。美術を教育するとはどういうことか? そもそも教育できるものなのか? 教育すべきものなのか? 「技術」的な事に関しては最低限の知識や技法を教える事はできるでしょうし、ある程度のマニュアル化も可能でしょう。 しかし、そこから一歩進んで「表現」について教えるという事になるとどうでしょうか。表現とはその背景に本人の思想や生き方などが深く関わってきます。思想や生き方を「教える」事はできるのか、また、そのような教育は適切なのか? 一般的に美術の世界では一人一人の異なる個性や創造性などを尊重します。つまり自由であることが重視されます。その自由であるべき美術を教えるというとき、学ぶ側の自由はどの程度まで認めるべきか? 逆に完全に自由な状態での教育は可能なのか? 色々と考えは尽きません。 さて、そのような美術の教える/教えられる関係、つまり師弟関係をテーマとした興味深い展覧会(主催:北九州市立美術館 企画:特定非営利活動法人創を考える会・北九州)が現在、黒崎市民ギャラリーにて開かれています。「北九州における現代アートの系譜」との副題を持つ本展では、嵯峨山善信、安枝達雄、阿部平臣、松島捷、井手秀美、阿部守という6人の「師」とそれぞれの「弟子」たちの作品を同時に見る事ができます。 その6人の師の顔ぶれを見ると、公立学校の美術教員、画塾を運営する美術家のいずれかです。つまりプロの教育者たちです。一般に、師弟関係にある美術家たちの双方の作品を見比べるとき、その外見が似てくる事は良くあることですが、そのような状況を見るたびに私は美術教育への疑問や違和感を抱き、残念な気持ちになります。 しかし本展ではそのようなことは無さそうです。ここでの弟子たちの学びは師匠の技術や様式などの物理的な事にとどまらず、表現の世界と向き合う姿勢や生き様などの深い領域にまで及んでいるからです。「ENCOUNTER 既知との遭遇」展 チラシ安枝達雄「猿」油彩・カンバス 制作年不詳江島勉「ドローイング」油彩・カンバス 1984 年ENCOUNTER 既知との遭遇北九州における現代アートの系譜【開催期間】2014年12月25日(木)~2015年1月21日(水)【会 場】北九州市立美術館 黒崎市民ギャラリー八幡西区黒崎3の15の3 コムシティ3階【開催時間】午前10時~午後6時【観覧料】無料【休館日】2014年12月29日(月)~2015年1月3日(土)【お問合せ】093(644)5206Information阿部守「曳船」一般鋼 2008 年制作協賛:岡野バルブ製造株式会社、自見産業株式会社、吉川工業株式会社 協力:岸川商事株式会社、株式会社松原組、株式会社鎚絵※参考作品武内貴子 「Cradle」 布、蝋、カーペット、バスタブ、石けん 2007 年協力:シャボン玉石けん株式会社、TOTO 株式会社※参考作品催事情報を見る