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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2015.March美術hiroba 花 田 伸 一北九州アートめぐりキュレーターShinichi Hanada「祐すけ成なり政徳+祐成勝枝桃園オペラ」展に寄せて 八幡東区のアートスペース「Operation Table」にて「祐成政徳+祐成勝枝 桃園オペラ」展が3月15日まで開催されています。祐成政徳(1960?)と祐成勝枝(1964?)はそれぞれ北九州出身で東京の美術大学で学び、現在も東京在住です。これまで二人は別々に作品発表してきましたが今回、「Operation Table」の依頼によって二人のコラボレーションが実現しました。 会場の「Operation Table」は動物病院を改装してできたアートスペースで、手術台やライトなど動物病院の雰囲気を生かした展示空間が特徴です。その独特な空間をアーティストたちがどう料理するのかが毎回の展示の見どころでもあります。 今回は、祐成勝枝が描いた絵画作品を展示空間にどのように配置するかを祐成政徳が決め、さらに政徳が制作した金属の構造物を空間全体に沿うように配置する事によって展示が構成されています。 祐成勝枝のパステルカラーの絵画世界と、壁面のパステルカラーの水色からは、柔らかな雰囲気や親密さが感じられます。そして祐成政徳の金属の構造物の細さやほんの微かすかに曲がっていたりする佇たたずまいからは軽やかさやコミカルさが感じられます。また全体の構成の特徴としては、絵画の配置も金属の配置も全て水平性・垂直性を際立たせたものである(つまりナナメがない)ことから、スペース全体が引き締まって心地良い緊張感に満ちています。その「凛りんとしたしなやかさ」とでもいうべき静かな雰囲気の中で、政徳の作品と勝枝の作品とが絶妙なバランスで調和しています。その様子は楽しげなデュエットのようでした(展覧会タイトルには「オペラ」とありますが)。 ちなみに私はこの展示空間は非常に平面的だと感じました。なぜならば三次元の部屋なのに奥行きや厚みや重なりが感じられないからです。これはおそらく展示物の配置が部屋の水平・垂直を強調した構成になっているからでしょう(故に会場写真も水平・垂直を強調して撮りました)。さらに壁や床や手術台の表面もキレイに磨かれ、より平面性が際立っています。いわばこの部屋全体が三次元の絵画といって良いかもしれません。三次元空間にいるのに二次元的な視覚体験をするという、この不思議な感覚はぜひ現場に足を運んで実際に体験していただきたいと思います。良質の音楽が耳だけでなく身体の芯に響いてくるように、この展示は目で見るだけでなく、私たちの身体に眠っている空間感覚を呼び起こす事でしょう。 2013年5月から約2年間、美術ページを担当させていただきました。今月号で私の担当は終了します。皆さまのご愛読ありがとうございました。国内でも大変ユニークな北九州のアートシーン、どうぞ引き続きご注目ください。4月号からの「美術hiroba」は北九州市立美術館本館及び分館の連載が始まります。「祐成政徳+祐成勝枝 桃園オペラ」展【会場】Operation Table八幡東区東鉄町8の18【開催期間】1月4日(日)~3月15日(日)展覧会期中の土日のみオープン 平日は予約制【開催時間】午前11時~午後6時30分【お問合せ】093(651)1215http://operation-table.com/Information