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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

4○99? 2016年は、夏目漱石の没後100年、翌17年は生誕150年にあたります。全国的に夏目漱石記念年実行委員会が設置されるなど、にわかに漱石ブームの兆しです。北九州市立文学館では、この記念年にさきがけ、夏目漱石の没後「99」年展を開催します。○漱石山房とは? サブタイトルの〈漱石山房〉とは、夏目漱石が40歳で移り住んだ家の書斎を号したものです。この年漱石は、職業作家になる決意で、東京帝国大学英文学教師の職を辞し、朝日新聞社に入社しました。 それから亡くなるまでの10年足らずに、『三四郎』『それから』『門』『こころ』『明暗』といった名作がこの〈漱石山房〉から生み出されていったのです。かつて山房のあった新宿区では、(仮称)「漱石山房」記念館を整備中、17年の完成を目指しています。 また、この書斎は漱石を慕う若い人々の集いの場でもありました。科学者で随筆家の寺田寅彦、現・みやこ町出身のドイツ文学者で『漱石全集』を編集する小宮豊隆、小説家の内田百閒、若くは芥川龍之介などが「木曜会」と呼ばれる面会日に集まりました。企画展では、〈漱石山脈〉とも称されるこの豊かな交流にも注目します。○みどころ 「私は其人を常に先生と呼んでいた」という有名な書き出しで始まる『こころ』の直筆原稿や、漱石山房で使われた愛用の文具、あたたかでユーモアあふれる書簡など、およそ150点を展示します。 漱石は書画も多く残していますが、例えば掲出の「達磨渡江図」――「一体先生は物の形はうまくありませんね」と言われた漱石は「おれの絵は形而上派(物を超えていること)だ」と応えたそうです。漱石の渋面が目に浮かびます。美術に造詣の深い漱石は、橋口五葉や津田青楓など当代の美術家に装丁を依頼しました。それらの著書は、どれも意匠に凝った美しいものです。 漱石と正岡子規との友情は有名ですが、今回は子規がロンドン留学中の漱石へ宛てた最後の手紙を特別展示します。留学中、寝たきりの子規が楽しみに待った手紙をなかなか送ることができなかった漱石は、その死を悼み子規が描いた「あづま菊」の絵と一緒にこの手紙を軸に表装しました。電話やインターネットがまだ無い時代の濃密で細やかな友情を伝える必見の資料です。○充実のイベント 恋愛小説家としての漱石に迫る開会記念講話「愛を追う漱石」や、皆さんご存知の夏目房之介さんが祖父・漱石を語る講演会、漱石文学への理解を深める文学講座など関連イベントも盛りだくさん。5月23日(土)からは、小倉昭和館で森田芳光監督、松田優作出演の『それから』など4本の漱石原作映画も協賛上映されます。 春は眠くなる。猫は鼠を捕る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる。(『草枕』) うららかな春。漱石展のあることはどうぞお忘れなく。皆さまのご来場をお待ちしております。日本近代文学館提供『吾輩ハ猫デアル』(1905~07年 大倉書店・服部書店)書肆(しょし) 吾輩堂蔵  photo office overhaul/大塚紘雅画「達磨渡江図(だるまとこうず)」 県立神奈川近代文学館蔵特別企画展没後99年  夏目漱石―     漱石山房の日々文芸hiroba 中 西 由 紀 子北九州市立文学館 主任学芸員Yukiko Nakanishiようこそ文学館へInformation【お問合せ】一般500円 中高生200円 小学生100円【観覧料】北九州市立文学館093(571)1505月曜日。5月4日は開館、5月7日休館【休館日】5月2日(土)~6月21日(日)【開催期間】没後99年夏目漱石―漱石山房の日々ひゃっけんけいじじょうじゅうめんはしぐちごようつだせいふう催事情報を見る