ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

6漫画hiroba表  智 之北九州市漫画ミュージアム 専門研究員漫画と北九州Tomoyuki Omote 日本において漫画は、世の中の動きと密接に関わっています。時事や流行を作品の中に旺盛に取り入れ、また逆に、漫画作品が世相に影響を与えることも。漫画は時代を呼吸するメディアと言えるでしょう。 そのため、長く続いた作品や雑誌の歩みを振り返ると、そこに世相の移り変わりがはっきりと刻印されていることが、漫画にはよくあります。うえやまとち『クッキングパパ』もその一つです。『クッキングパパ』(図1)は1985年から講談社の青年漫画誌『モーニング』に連載され、今年の5月で30周年を迎えます。単行本は現在131巻を数え、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)、『ゴルゴ13』(さいとう・たかを)に次いで、日本で3番目に巻数の多い漫画作品です。福岡・博多を中心に、北九州市をはじめ九州各地を舞台としているので、雑誌や単行本以外にもいろいろと接する機会が多いことと思います。 この作品はいわゆる〝グルメ漫画?ですが、プロの料理人ではなく、家庭でできる手料理に的を絞っているのが最大の特徴。簡単なレシピも毎回掲載されています。最近では、料理情報サイト「クックパッド」でもレシピを公開し、握らない座布団状のおにぎり「おにぎらず」でブームを巻き起こしています。 主人公の荒岩一味=「パパ」は福岡市内の商社で主任(後に課長)を務めるサラリーマン。会社ではやや強面ですが(図2)、家に帰ると子煩悩で料理が大の得意(図3)。一方、妻の虹子は新聞記者の激務もあって台所に立つことはほとんどなく、いつもパパが腕をふるっています。 もともとの意図としては、台所に立ちそうもないゴツい九州男児がまめまめしく料理を作る、そのギャップの面白さを狙ったとのこと。確かに連載の初期では、パパは会社では料理の腕を秘密にしており、バレそうになって大慌て、といった展開も散見されます。しかし今や「育男(=育児男子)」の時代。パパの姿はお手本になりこそすれ、笑われはしないでしょう。まさに隔世の感があります。 つい先日は、双子が生まれて育児休暇を取っていた東京支社の工藤という部下が、職場復帰に際し単身赴任とならぬよう、パパの計らいで小倉支社に異動になるという展開がありました(図4)。『クッキングパパ』では、たくさんの登場人物が結婚し、子を産み、育て、家族が増えていきます。家族の営みの中心にある「手料理」を軸に、人と人のつながりが広がり、濃密になっていく。そんな人生の〝味?が詰まった本作について、原画を中心とした企画展を当館にて開催する運びとなりました。詳しくは本誌次号をお楽しみに。〝30年もの?の、まろやかでコクのある味わいをぜひご堪能ください。うえやまとち『クッキングパパ』 30年ものの〝人生の味?連載30周年記念特別展「クッキングパパと九州・福岡の仲間たち」【開催期間】5月30日(土)~7月5日(日)【開館時間】午前11時~午後7時     (入館は午後6時30分まで)【休館日】毎週火曜日【入館料】一般500円、中・高生300円、小学生150円【お問合せ】北九州市漫画ミュージアム093(512)5077Information【常設展とのセット券】一般800円、中・高生400円、小学生200円かずみこわもてイクメン図1 うえやまとち『クッキングパパ』   第1巻表紙(講談社、1986年)図2 第1話「イタリアン鍋は手軽で  ボリューム満点」より。   第1巻4ページ図3 同じく第1話より。   第1巻13ページ図4 第1313話「愛情たっぷり!   カラフル野菜スープ」より。   講談社『モーニング』   2015年2月19日号(No.10)cうえやまとち/講談社変化が激しく、まるで世代が変わってしまったような感じ。※催事情報を見る