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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

7 CulCul 2015.June 1945年8月、日本に二発の原子爆弾(原爆)が投下されました。 一つは広島、そしてもう一つは長崎。小倉市(現在の北九州市小倉北区)も、原爆投下目標地の一つでした。天候や状況が違えば、今の私たちの生活は全く異なったものになっていたかもしれません。終戦から時が流れ、当時を知る人が減る一方、「記憶を語り継ぐ」責任をより強く感じる戦後70年の今年、原爆の体験を記憶に留めたい、とつくられた朗読劇「この子たちの夏」が北九州芸術劇場で上演されます。戦争の記憶を後世へ 1985年の初演以来、日本全国で778回上演されてきた「この子たちの夏」。唯一の原爆による被爆国となった日本において、その経験を記憶に留めたいと、原爆を経験した人々が残した手記や詩歌など膨大な資料の中から、「母と子」というテーマに沿って選び取られたものが朗読劇としてまとめられています。 大豆ごはんを食べなかった息子を叱ったまま学校へ送り出した母の後悔。校庭で家族を荼毘に付した少年の思い。明日も今日と同じように変わらぬ日々が続いていく、と当たり前のように思っていた、そんな日常が一瞬にして崩れさるという体験と、大きな喪失を抱えて生き続ける日々。その中で紡がれる一つ一つの言葉が、あの日から遠く離れた今を生きる私たちに語りかけます。 本作で用いられる文章を書いた人々も、その多くはすでに亡くなっていることでしょう。原爆という出来事を扱いながら、その言葉が私たち自身の言葉でもあるように感じるのは、親が子を思い、子が親を思う気持ちの普遍性もさることながら、私たちの誰もが日々を生きる上で抱えざるを得ない、喪失という体験の深さもあってのことかもしれません。身近な人の死や、些細なきっかけで生じる生活や人間関係の変化。震災が引き起こした自然災害や原子力発電所の事故による故郷の喪失。さらに世界的な政情不安と、無くなることのない戦争と人々の争いの渦中にある世代として、原爆や戦争を直接的には知らなくても、共有可能な体験は確かにあると感じられます。新たに生まれ変わった「この子たちの夏」 本作は、演劇制作体「地人会」によって戦後40年の節目の年に創作され、2007年まで全国戦後70年平和祈念「この子たちの夏」1945・ヒロシマ ナガサキ北九州芸術劇場 広報係 岩  本   史  緒 Fumiwo Iwamoto原爆の投下目標地だった小倉。戦後70年の今、改めて考えたい、戦争と平和。各地で上演されました。地人会の活動停止により、いったんは上演が終了しましたが、地人会新会の旗揚げと共に、2011年より再開。出演する女優も、全員が戦後世代となりました。戦争体験の無い女優が、創作を通して戦争を受け止め表現へと昇華することで、本作もまた新しい作品として生まれ変わったといえるでしょう。「この子たちの夏」は、過去にも数回、北九州で上演されていますが、今回の女優陣による公演は初めてとなります。 戦争を知らない世代が語り部となり、さらに遠い未来の世代に向けて、戦争の記憶を受け継ぐ。その場にぜひ立ち会っていただき、夏の一日、ほんのつかの間、70年前のあの日へ想いを馳せていただければと思います。だびささい戦後70年平和祈念「この子たちの夏」1945・ヒロシマ ナガサキ旺なつきかとうかず子島田歌穂高橋紀恵根岸季衣原日出子【日時】7月 5日(日)午後3時開演【会場】北九州芸術劇場 中劇場【チケット料金】大人3000円、ユース(24歳以下・要身分証提示)1500円※全席指定 ※未就学児入場不可【チケット取扱い】北九州芸術劇場プレイガイドオンラインチケット 他【お問合せ】北九州芸術劇場 093(562)2655Information