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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul美術hiroba 清 田 幸 枝美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸員Yukie Kiyota 北九州芸術劇場と北九州市立美術館による演劇公演『画狂老人@北斎』(作・演出:泊篤志/飛ぶ劇場)が5月14日?17日に北九州市立美術館分館で上演されました。当館が所蔵する作品から1点を選び、作品や作家にまつわるエピソードを基に演劇作品を創作するというこの企画。上演は展示室内で行われ、観賞後は学芸員の解説と共に主題となった作品を鑑賞する一風変わった取り組みです。第1弾は、印象派の代表的な画家、エドガー・ドガ《マネとマネ婦人像》を題材にした『切り裂かれたキャンバス』(2013年)を。第2弾では、ジャン・ミシェル・バスキア《消防士》を題材にした『モテたい売れたい僕らアーティスト』(2014年)を上演し、大変好評を頂きました。続く第3弾となる今回は、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎《冨獄三十六景 神奈川沖浪裏》を取り上げました。 舞台は現代。主人公の川村鉄蔵は、編集長に「北斎の生まれ変わりかもしれない」と才能を見出され20代でマンガ家としてデビューするも、その後は鳴かず飛ばず。北斎に憧れ、北斎のごとく画業一筋に生きたマンガ家は、50年の歳月が過ぎたときにひょんなことからフランスでの成功を収めます。 「もっとうまくなりたい。神の領域まで」 執念ともいえる主人公の姿は、自らを「画狂老人」と名乗り、常に作画への情熱を燃やし続けた北斎と重なるように描かれました。 かつて、ヨーロッパを中心とする多くの芸術家たちに影響を与えた浮世絵と、「MANGA」として海外に人気を誇る日本の漫画。二つの文化が「北斎」というキーワードを中心に一つの物語としてつながっていきます。北斎の名前を聞いたことはあるがどのような人物か知らない、作品は見たことがあるけれどよく分からない‥‥という方も、「演劇」の手法を通して一人の作家の人物像や時代背景に触れることで、また違った見え方ができるのもこのコラボ公演の魅力の一つです。 劇場と美術館のコラボレーション企画も3年目となり、「毎年この公演を楽しみにしている」という声を多く頂いています。「演劇には興味があるけれど美術館に行ったことがない」「演劇を観たことがない」という方は、ぜひこの公演をきっかけにそれぞれのアートの魅力を体感してください。劇場と美術館ならではのこの企画。今後もぜひ注目をしていただきたいと思います。美術館で演劇×アート作品を公演後は題材となった作品を鑑賞『画狂老人@北斎』より葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》1831~34年 当館蔵作・演出:泊篤志(飛ぶ劇場) 出演:立石義江、木村健二(飛ぶ劇場)、宮村耳々、葉山太司(飛ぶ劇場)、渡辺明男(バカボンド座)ふがくなみみ2015.August