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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul美術hiroba 山 下 理 恵美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸員Rie Yamashita そろそろ秋も深まり、モミジやカエデが色づいてくるころでしょうか。美術館分館があるリバーウォーク北九州の前の街路に植えられたイチョウの葉も、この季節には鮮やかな黄色に染まり、私たちの目を楽しませてくれます。日本には、春夏秋冬、四つの季節があります。それぞれさまざまな風物詩がありますが、春には桜、初夏には新緑、秋には紅葉と、樹木がもたらしてくれる楽しみも少なくありません。 私たちの周りにはさまざまな樹木があります。人間にとって樹木は身近な存在ですが、その一方で、樹木にはどこか神秘的なところもあります。それは、樹木が人類誕生のはるか以前から地球に存在し今も繁栄を続けていることや、古来、樹木には神や精霊が宿ると考えられてきたことも無関係ではないでしょう。 本展では、絵画、彫刻、版画など多岐にわたる当館コレクションの中から、樹木を主役にした作品、樹木が脇役として彩りを添える風景画、あるいは木から作られた彫刻など、樹木にまつわる作品を紹介します。当館は浮世絵のコレクションも充実していますが、浮世絵にも樹木は多く登場します。当時の風俗を伝える浮世絵からは、人々の生活の場に樹木があり、梅や桜、藤などの樹木を見て四季の移り変わりを楽しんでいたことが、よく分かります。 北九州市出身の寺田政明も樹木に魅せられた作家です。寺田は、冬枯れの木や、しわや瘤だらけの老木を好んで描いています。老木のじっと何かに耐えて沈黙しているような、それでいて力強い生命の輝きに共感したのでしょう。カラスやねずみなどの物言わぬ小さな生き物、廃船や寂れた港などの役目を終えて消えゆくものに愛着と共感を深めた作家らしい着眼です。 そして日本画の巨匠・東山魁夷。自然を愛した東山には、樹木や森をテーマとした作品が多くあります。当館所蔵の《樹霊》に描かれた巨樹の根元は、圧倒的な存在感で見る者に迫ってきます。巨樹を見つめる東山のまなざしには、「幾百年の風雪に耐えて生き抜いてきた巨樹」にみなぎる「悲しいほどの生命力」(東山魁夷「樹霊」『樹々は語る』1985年、求龍堂)に対する畏怖と崇敬が含まれていたに違いありません。会場では本作と併せて、NHKの美術番組で紹介された東山へのインタビュー映像を上映します。 本展では誌面で取り上げたほかに、ユトリロ、ルオー、歌川広重、月岡芳年、香月泰男、児島善三郎、駒井哲郎、田淵安一、藤浩志らによる多彩な作品を展示します。また、ゲスト出品として現代作家・石塚千晃による自然にまつわる作品もご紹介しますので、こちらもご期待ください。樹のいのち、画家のまなざし寺田政明《[樹木]》制作年不詳 コンテ、墨・紙 北九州市立美術館蔵東山魁夷《樹霊》1983年 彩色・紙 北九州市立美術館蔵石塚千晃 《Portrait of DAUCUS CAROTA》 2014年※参考作品Information樹のいのち、画家のまなざし【会場】北九州市立美術館 分館(リバーウォーク北九州5F)【会期】11月14日(土)~12月13日(日) 会期中無休【開館時間】午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)【観覧料】一般600(500)円 高大生400(300)円小中生200(100)円※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金障害者手帳提示の方は無料【お問合せ】093(562)3215こぶい  ふ2015. November催事情報を見る