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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

7 CulCul 2015. December寺山修司、最後の演出作品が北九州へ 1935年、青森県で生まれた寺山修司は、進学のため上京した後、東京で演劇実験室「天井棧敷」を主宰し、その実験的演出手法で演劇界に大きな衝撃を与えました。美輪明宏がこれまで何度も主演を演じた「毛皮のマリー」や、蜷川幸雄演出でも知られる「身毒丸」はその代表的なものでしょう。劇作家・演出家としてだけではなく、歌人、詩人、映画監督、小説家、評論家など多くの肩書きを持ち、さまざまな分野でその才能を遺憾なく発揮しながら、1983年に47歳の若さで亡くなった寺山修司。彼が最後に演出した作品が『レミング』です。松本雄吉とヂャンヂャン☆オペラ 今回北九州で上演されるのは、寺山没後30年の2013年に、松本雄吉(維新派)の演出により新たに生まれ変わった、音楽劇『レミング』。松本は、熊本県天草市に生まれ、1970年に大阪で「日本維新派」(後に維新派と改称)を立ち上げました。維新派の特徴は、公演の度にゼロからつくりあげる巨大な野外劇場。公演の時は劇場の周りに露天も立ち、あたかも一つの町が生まれたかのようです。その壮大さは劇場を使った舞台でも健在。『レミング』でも劇場の大ホールにどのような都市空間をつくり出すのか、期待せずにはおれません。また、大阪弁文化の影響を感じさせる、松本独自の言語表現「ヂャンヂャン☆オペラ」は、言葉を解体し変拍子のリズムに乗せて再構築するもので、めくるめく音の洪水は、観る者を別世界へと誘います。13年に上演された『レミング』で、寺山の作品に新たな解釈で挑み、観客を虜にした松本。今回初めて寺山作品に挑む溝端淳平と柄本時生という若い世代の二人、元宝塚歌劇団・月組トップスターの霧矢大夢、そして同世代ながら初めて松本作品に出演する麿赤兒ら、新たなキャストと共にどのような世界を見せてくれるのでしょうか。寺山が描く幻想的な都市世界が現在に投げかけるもの 『レミング』に登場するのは、東京のとある下宿屋に暮らすコックのタロ(溝端淳平)とジロ(柄本時生)。ある日当然部屋の壁が消え、隣人の生活が丸見えになってしまいます。壁の無くなった部屋には、次々に奇妙な訪問者が訪れ、やがて部屋と都市との境界すらも曖昧になっていきます。壁無き世界の先にあるのは果たして… 「ここで描かれているのは物質の壁ではない。人間の内面の壁である。戦後30年、われわれ岩 本 史 緒Fumiwo Iwamoto音楽劇『レミング』~世界の涯まで連れてって~はて北九州芸術劇場 広報係は四面に壁を作って生きてきた。その四面の壁が取り払われたとき、われわれは、いやおうなく他者との関係に巻き込まれてゆく。」これは83年に『レミング』が上演された際の読売新聞の劇評の一部です。〝言葉の錬金術師?とも呼ばれた寺山修司の作品は、メタファーに満ちた散文詩的な文体で彩られ、観る者をシュールで幻想的なイメージの世界へと引き込みます。時代の流れの中で、決して古びることなく新たなメッセージを発し続ける寺山修司の世界。そしてその作品に新たな解釈と現在性を与える松本雄吉の演出。戦後70年を過ぎ、災害と戦争という世界規模の変化のただ中にある私たちに、『レミング』はどんな世界の像を見せてくれるのでしょう。そして私たちは、『レミング』の世界をどう受け止めるのでしょう。寺山修司×松本雄吉《維新派》希有な才能の激突により生まれた伝説の舞台がスケールアップしてリニューアル上演!Information音楽劇『レミング』~世界の涯まで連れてって~【会場】北九州芸術劇場 大ホール【会期】12月26日(土)午後3時開演 27日(日)午後1時開演【チケット料金】S席8000円 A席6000円ユース(24歳以下・要身分証提示)3500円 ※全席指定※未就学児入場不可【チケット取扱い】北九州芸術劇場プレイガイドオンラインチケット他【お問合せ】北九州芸術劇場 093(562)2655しんとくまるさ じきとりこいざなひろ むあか じ