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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2016. January美術hiroba 長 峰 真 奈 美美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸員Manami Nagamine 画家はなぜ、女性を描き続けるのでしょうか。女性像は世界中の画家が描き続けてきた永遠のテーマと言ってもよいでしょう。そして画家たちは、独自の視点でさまざまな女性を描き出しました。 明治以降、日本の絵画における人体像は大きく変わりました。画家たちは西洋美術と出会い、科学的に対象を捉える見方と、陰影法などによって立体感を表す描法を学びます。西洋近代絵画の風潮を反映して、日本でも女性をモチーフとする作品が多く描かれました。 本展では日本洋画における近現代の作家たちが描いた「女性像」に焦点をあて、三つのテーマに沿ってその表現の多様性を探ります。 日本では明治になって、西洋の絵画技法の流入により新しい絵画ジャンル「洋画」が生まれました。そして解剖学に基づき、西洋の基礎を踏まえた人体像が描かれます。人の身体、特に裸婦が美しいものと捉えられ、積極的に描かれるようになりました。また大正期に入ると、デフォルメやフォルムの再構築によって、画家たちは独自の表現を追求しました。一章の「女性像にみるフォルム」では、日本近代洋画の黎明期に活躍した藤島武二、岡田三郎助、大胆なデフォルメで世間を圧倒した萬鉄五郎、細密な描写で静謐な画面を構成する森本草介などの作品から女性の身体美に注目します。 二章は「女性像にみる現実」をテーマに、それぞれの作品に表れる画家とモデルの関係や、時代的・社会的背景がうかがえる作品を集めます。近代に本格的に洋画が入って以降は新たな女性表現が展開し、理想的なものではなく、日常生活の中の女性の姿が多く描かれるようになりました。画家が実際に女性と対峙し、その存在を描こうとした作品には、モデルとなった女性の現実と、画家の背負った現実がともに表れています。二章では愛娘・麗子をモデルにして成長過程を描き続けた岸田劉生や、はかなげで哀愁漂う叙情的な美人画で知られる竹久夢二などの作品を紹介します。 さらに絵画に描かれる対象は、現実に存在しているものだけでなく、画家の趣味嗜好や夢、希望など無限大です。現実を離れ、想像によって描かれたり、あるいは現実を踏まえながら、そこに情緒、憧れ、理想などを盛り込んで表現した女性像は多様な広がりを見せています。三章の「女性像にみる夢」では、清澄な色彩と堅実な写実表現を貫いた和田英作、甘美な落ち着いた色合いで人々を魅了する東郷青児、色鮮やかな画面を構成したフレスコ画の絹谷幸二などの作品から画家の想いが託された女性像をご覧いただきます。 画家たちが描く女性像から浮かび上がってくる背景に思いを巡らせ、時代とともに移り変わる美意識をあらためて感じていただければ幸いです。北九州市立美術館分館 展覧会  描かれた女たち   女性像にみるフォルム/現実/夢Information【会場】北九州市立美術館 分館(リバーウォーク北九州5F)【会期】1月2日(土)~2月28日(日) 会期中無休【開館時間】午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)【観覧料】一般1000円(800円) 高・大生600円(400円) 小中生400円(300円)※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金 障害者手帳提示の方は無料【お問合せ】093(562)3215描かれた女たち 女性像にみるフォルム/現実/夢岡田三郎助《裸婦》1935年岸田劉生《麗子十六歳之像》1929年藤島武二《婦人像》1927年頃東郷青児《ヴァイオレット》1949年<学芸員によるギャラリートーク>【日時】1月31日(日)・2月21日(日)午後2時~【場所】展覧会場内 ※申し込みは不要、観覧料が必要ですEvent※  美術において対象を変形させて表現すること。れいめいきせいひつせいちょう