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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

235北九州市立いのちのたび博物館ふしぎの教室 ~よみがえる学校標本たち~【会期】3月19日(土)~5月15日(日) 会期中無休【開館時間】午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで)【入場料】大人500円(400円)高大生300円(240円)小中生200円(160円)( )内は団体料金常設展とのセット券、前売り券あり詳細は、ホームページまたは博物館までお問い合わせください【お問合せ】北九州市立いのちのたび博物館093(681)1011  http://www.kmnh.jp/Information かつて、学校には標本を保管している部屋がありました。ガラス瓶に納められた標本の一群は、怖れと同時に好奇心をかき立てるものでした。人けがなくなった放課後に標本室の前を通るのは多少の勇気が必要でした。今でもそのような教室を備え、標本を見る機会を設けている学校があるかもしれません。しかし、以前に比べて美しい写真やイラストに彩られた教科書、各種ビデオ教材の充実などもあって、実物標本を観察する機会は減っているのではないでしょうか。 残念なことに、これらの標本たちは行き場をなくしつつあります。博物館では学校で保管が難しくなったこれらの標本を受け入れ、新たな価値を見いだす努力をしています。今回の特別展では、このような標本の中から近年では入手しにくい種類や驚くほど巧妙に作られた標本などを、博物館の新しい資料とともに紹介します。 寄贈された標本を概観すると、面白い傾向が感じられます。まず、カモノハシという、哺乳類では珍しい卵を産む種類が近隣の高等学校だけでも5校に保管されていました。また、全身がウロコに覆われるセンザンコウの仲間は8点もあったのに対して、アルマジロの仲間は含まれていませんでした。こうしてみると、東南アジアからオーストラリアにかけて分布する種類の中で、日本では見られない珍しい種類や各分類群の代表的な種類を集めているようです。多くはラベルが失われていますが、明治末期から昭和初期の標本と推測され、当時の活動範囲や入手のしやすさも反映しているのかもしれません。 また、生き物の体はふしぎに満ちています。生きていくための体のつくりは進化の過程でとても複雑で機能的につくられてきました。おなかを開いて保存液に浸けられたさまざまな種類の標本はちょっと不気味ではありますが、公衆衛生学的な知識を身に付ける基礎ともなり、荘厳さをも感じさせます。 これらの標本たちが示してくれるのは博物学の世界そのものです。現在では生物学や化学など細分化されていますが、広く自然科学を含み、博物館を支える基礎ともいうべき分野です。標本たちを眺めていると、世界にはいろいろな生き物がいるという多様性そのものを、当時の指導者たちが画像などではなく実物の標本で示そうとしていたように思われます。 特別展では動物に限らず、植物や鉱物、生徒たちが発掘した考古学資料などを使って、博物学が織り成すふしぎな世界をご案内します。触れる標本や折り紙、標本作製などの参加型ワークショップもいろいろと企画する予定です。どうぞ博物学の世界をご覧いただき、標本たちのいのちを感じてください。ふしぎの教室~よみがえる学校標本たち~学芸員 馬 場  稔Minoru Baba写真1 魚類(フナ)と頭足類(イカ)の解剖標本写真3 たくさんのセンザンコウ写真2 カモノハシ標本の一つ写真4 まるでエイリアンのような標本。 正体は特別展で 催事情報を見る