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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2016. March美術hiroba 那 須 孝 幸美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸係長Takayuki Nasu 現在、北九州市立美術館本館(戸畑区)は、改修工事のため休館しています。1974年の開館からすでに41年を数え、空調設備や屋上、壁面の老朽化が進んだことから、大規模な修繕工事をすることとなりました。そして着工を前に、美術館ならではの大仕事が、収蔵作品の引っ越しです。外部からの侵入を厳重に管理した、いわば巨大な金庫のような作品収蔵庫の内部では、年間を通じて温湿度が一定に保たれています。工事にあたっては、作品にダメージを与えることのないよう一点一点を丁寧に梱包し、安全な場所に移動させる作業を行いました。 今回は、当館のコレクションの歴史について少しお話しましょう。美術館のコレクションは、現在の市民が未来へと送る財産です。当館の場合、前身となる北九州市立八幡美術館が58年に旧八幡市の八幡市美術工芸館として開館していることから、そこから数えると実に半世紀を超える収集の歴史を歩んできたことになります。 さかのぼること1963年、5市合併により北九州市が誕生し、東名阪の都市圏以外では初の政令指定都市となりました。その新市の象徴として計画されたのが当館です。74年11月3日、建築家・磯崎新の設計により、西日本における大規模な公立美術館の先駆けとして開館しました。 当館のコレクションは、絵画、彫刻、素描、版画など多岐にわたり、国内外の近現代美術を主軸とした約7500点を所蔵しています。前述の通り美術品の収集活動は前身の八幡市美術工芸館時代から始まっており、瑛九や山口長男、寺田政明、田淵安一など当時一線で活躍する作家や地元ゆかりの作家を中心とする豊かな内容を受け継ぎました。さらに新美術館建設に向けて収集対象を拡大し、海外の近現代美術まで視野を広げるとともに、国内では特に西日本ゆかりに重きを置きながら全国的な活躍をみせる作家に注目しました。開館年度にはエドガー・ドガの《マネとマネ夫人像》など、現在でも当館コレクションの中核を成す作品を購入しています。また、版画作品も重点的に収集し、現在ではコレクション全体の6割を超える比重を占めています。 一方、工業都市からさらに文化都市へという願いの反映として、当館コレクションの大きな特徴といえるのが、市民や地元企業からの支援です。開館時から80年代にわたり、新日本製鐵(現 新日鐵住金)からパブロ・ピカソの『ヴォラールのための連作集』の寄贈を受けたほか、住友金属工業(現 新日鐵住金)からはジョルジュ・ルオーの《道化師》の寄贈を、東陶機器(現 TOTO)からは寄付金を得て岸田劉生の《Tの肖像》を購入するなど、長年にわたり企業や個人からの温かい援助が続いてきました。 美術館の役割は社会構造の変化や時代の要請により変わっていくものではありますが、当館は、これまで蓄積された貴重な文化資源(作品や美術資料)と活動実績を踏まえ、21世紀のさらなる文化拠点としての役割を担っていきます。北九州市立美術館  ?コレクションの歩みInformation西日本工業大学デザイン学部卒業制作優秀作品展【会場】北九州市立美術館 分館(リバーウォーク北九州5F)【会期】3月5日(土)~13日(日)【開館時間】午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)【観覧料】無料【お問合せ】093(562)3215※4月1日から年長者施設利用証をご提示の方は、団体料金の入館料となります作品移動を前に、厳重に梱包した絵画作品改修工事のため休館中の北九州市立美術館本館