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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

6 「日本にマンガ家は何人いるのか?」――マンガ施設の研究員という職業柄、しばしば尋ねられるのですが、実はこれ、けっこう難しい質問なのです。明快にお答えすることは不可能と言っていいでしょう。 その理由はまず、数が多すぎるということ。少年・少女・男性・女性さまざまな読者層に向けてたくさんの雑誌が次々に刊行され、多種多様なマンガが書店に並んでいますが、現在のところ、1年間で新たに刊行されるマンガ雑誌・単行本はおよそ1万種類と言われています。これがそのまま現役作家の数というわけではないですが、何千あるいは何万人にも上ることは想像がつきます。 次に、マンガ家には資格も免許も必要なく、団体・協会への所属義務もありません。「公益社団法人 日本漫画家協会」という任意参加の互助団体はありますが、会員数は920名(2015年7月時点)で、未加盟の作家の方がおそらく多いでしょう。 では仮に、日本のマンガ雑誌・単行本の情報をすべてデータベース化すれば(文化庁の主導で、実際に「メディア芸術データベース」が作成され、試験公開されています)日本のマンガ家の正確な総数が分かるのでしょうか? 答えはNO。日本のマンガ界はプロとアマチュアの境目があいまいで、書店流通の出版物ではない形で作品を発表するマンガ家がたくさんいます。「同人誌」と呼ばれる自費出版物と、「pixiv」などインターネット上の画像投稿掲示板です。 例えば、作家たちが同人誌を持ち寄って手売りする「同人誌即売会」のうち、最大規模の「コミックマーケット」では、3日間の会期で3万5千の作家(個人またはグループ)が出展し、52万人の来場者がありました(2015年12月29日?31日開催)。音楽CDやゲームソフトなどマンガ以外の作品を売っている作家も含めての数ですが、書店流通のマンガと同等かそれ以上の人数のマンガ家が参加していることになります。 「日本は世界に冠たるマンガ大国である」と近年よく言われるようになりました。発行部数や市場規模など産業的な側面ばかりが目を引きがちですが、マンガを表現文化と捉えるならば、仕事でなく趣味としてマンガを描き続けている人々も含めた、世界に類例を見ない作家層の分厚さにこそ〝マンガ大国?の根幹があると言っていいでしょう。 北九州市漫画ミュージアムでは、3月19日から4月10日まで、「アズ50年展―マンガ同人の半世紀」と題した展覧会と各種イベントを開催します。1966年に創設され今年で50周年を迎える、地元のマンガ同人サークル「アズ漫画研究会」の歩みを紹介するのですが、このサークルの面白いところは、創設当時のメンバーが創作を続けているだけでなく、その子ども世代の若い作家も加わっていることです。北九州と下関を地盤に、同「アズ50年展―マンガ同人の半世紀」 マンガ大国・日本の根幹を支える同人文化図1 同人誌『アズ』創刊号(アズ漫画研究会 1967年)図2 同人誌『As』(アズ漫画研究会 2008年)表紙は若手メンバー・しいたけ(イラストレーター)の作品人誌や展覧会、似顔絵描きや作画教室など、日々の生活の中でコツコツと活動を続けてきたからこそでしょう。その功績に対し、市は「第一回北九州市民文化功労賞」(2013年)をお贈りしています。 生活の中にマンガがある楽しさ、思いを表現し、人に見せ、楽しませる喜び――〝マンガの街・北九州?の原点を感じ取ってください。漫画hiroba表  智 之北九州市漫画ミュージアム 専門研究員漫画と北九州Tomoyuki Omote【開催期間】3月19日(土)~4月10日(日)【開館時間】午前11時~午後7時(入館は午後6時30分まで)【休館日】3月22日(火)【会場】5F 企画展示室【観覧料】無料【お問合せ】北九州市漫画ミュージアム093(512)5077「アズ50年展-マンガ同人の半世紀」Information 催事情報を見る