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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2016. April演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka20歳になったドラマスクール 「飯塚子どものためのドラマスクール」が20回目の発表公演『GISHIKI!?儀式!オトナへのカイダン』を4月3日にイイヅカコスモスコモンで行う。私が2003年(第7期)から関わらせていただいている団体だ。北九州ゆかりの演劇人も多く関わっている。 「クリエイティブドラマ」という創作創造の手法についてはここでも何度かご紹介させていただいてきた。演劇的手法を使ったゲームのようなエクササイズや即興の劇遊びが、コミュニケーション能力を伸ばし社会性を獲得するのに役に立つとして、学校現場や企業の社員研修などに取り入れられている。 演劇的と言いながらも、ドラマはごく個人的な活動であり、本来「発表」というものとは無縁のものである。「もしも自分が」をキーワードに、自分でない他者に「なってみる」、つまり演じる活動も行うが、そこに技術面での評価を介在させないのが鉄則である。 「飯塚子どものためのドラマスクール」は、こういった「クリエイティブドラマ」の理念をかなりきっちりと貫いたプログラム展開をしている、日本でも珍しい団体だ。月に2回、2時間?3時間程度の活動を積み重ねる。二つのコースがあり、一つは今述べたように、劇遊びを通して、さまざまな感覚や感情を〝体験?する「表現コース」(5月?12月実施)。そして、その体験したものを作品化し、舞台化して発表する「シアターコース」(5月?3月実施)である。 シアターコースでは、まずは即興の劇遊びを積み重ね、そこから、その年の参加者が一番身近に感じているキーワードを見つけ出す。そしてさらにそのキーワードにまつわるシーンを創っていく。舞台に乗せるストーリーが出来上がるまでに100から200の短いシーンが創られては壊され、また新たに生まれていく。 従って、発表公演には台本が無い。そう言うと、多くの人が「ああ、みんなで話し合って書いていくのだ」と思われるらしいが、本当に、文字化された台本は最後の最後まで無い。物語の流れは全て子どもたちの頭の中にあるのだ。文字化されるのはテクニカルスタッフ向けの簡単なメモくらいか。 この過程に私をはじめとしたプロの演劇人たちが関わっていく。「劇団翔空間」所属の女優であり、県内でも珍しい即興(インプロ)公演を数多く行っている「インプロ集団MOSAiQUES(モザイクス)」を牽引する吉栁佳代子は第1期から。発表公演には井上沙紀(劇団黄色い自転車)、守田慎之介(演劇関係いすと校舎)などが参加してきた。関わるといっても、同じ表現者としてアドバイスやナビゲーションするだけで、決して〝指導?はしない。開演ギリギリまで自分たちの気持ちにぴったりの言葉や気持ちを探そうとする子どもたちの創作創造を支える。 ドラマスクールの様子については、15周年を記念して発行された『ドラマという名の冒険』(飯塚ドラマスクールを支える会・山田眞理子編)にも詳しいので、機会があれば手に取っていただきたい。 活動拠点は飯塚市であるとはいえ、北九州やその近郊からの参加者も多いドラマスクール。いつか北九州でも同じようなスタイルの〝お稽古?や〝お教室?ではなく「子どもの表現ときちんと向き合う場所」を創りたい、というのが私の密かな野望でもある。第20期飯塚こどものためのドラマスクール発表公演『GISHIKI!』チラシ飯塚ドラマスクールを支える会・山田眞理子編『ドラマという名の冒険』