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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2016. April美術hiroba 河 村 朱 音美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸員Akane Kawamura 日本美術院が主催する再興院展は、2015年に100回を数えました。記念すべき本展は、東京都美術館を皮切りに全国を巡回し、16年の春、九州で唯一の開催地である北九州で開幕します。秋に始まる院展ですが、北九州展は1980年の第64回展から毎年春ごろに開催され、九州では春の訪れを告げる展覧会として親しまれています。 院展の魅力の一つはなんといってもさまざまな絵画表現を一度に楽しめることです。風景画や花鳥画に定評のある那波多目功一の《菊花》(図1)は、金箔を背景に清廉な菊の姿が描き出されています。シンプルな構図ですが、徹底した観察に基づき、花の香りや朝から夕への時間の流れなど、目に見えない部分までもが写実として見事に表現されています。北九州市出身の井手康人の《白道》(図2)は、いくつものイメージが重なり合う複雑な構図となり、神秘的な空気が漂います。インドネシアのバリ島の儀式に東洋思想を重ね、浄土への白い道を歩む様子に、同人として初出品となる本作にこれからへの信念を込めた作家自身の姿が重なります。本展では日本美術院同人作家のほか、受賞作品、および九州出身・在住作家の入選作品を含む72点の最新作が並びます。 さて、改めて院展の歴史を振り返ってみましょう。明治半ばの1898年、岡倉天心が中心となって、日本美術院は創設されました。同年10月に日本美術院展覧会(院展)を開催。春と秋の年2回のペースで5年にわたって積極的な展覧会活動が展開されますが、経営難などにより天心が没する1913年ごろには事実上活動休止状態となりました。そこで、横山大観らが天心の遺志を継いで14年に再興を期し、10月に日本美術院再興記念展覧会(再興院展)の第1回展を開催。以来、日本美術院は一世紀にわたり美術運動を展開する在野の美術団体となりました。その歴史は、明治以降の洋画に対して生まれた「日本画」の歴史とも重なり、深く関わっています。天心や大観はもとより、小林古径、前田青邨、速水御舟、片岡球子、平山郁夫ら歴代の同人作家が学び自家薬籠中とした狩野派や琳派など日本の古典技法や文学、西洋の美術やその技法、国外から取り入れた新しい文化。それは院展のイメージとなる伝統を創り、また時には革新を起こしてきました。つまり、院展の歴史は日本画の模索と創造の歴史ともいえるのです。 現在、日本美術院は公益財団法人となり、正会員である同人34名と院友や研究会員など千人を超える一般会員とで構成されています。年齢や経験の異なる作家たちが節目の年を迎え、新たな気持ちで挑む力作が一堂に並ぶ本展。世界に誇る院展の今をぜひご高覧ください。再興第100回院展Information再興第100回院展【会場】北九州市立美術館 分館(リバーウォーク北九州5F)【会期】4月8日(金)~ 5月8日(日)※会期中無休【開館時間】午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)【観覧料】一般1000(800)円 高大生600(400)円 小中生400(300)円※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金障害者手帳提示の方は無料本展より、年長者施設利用証提示の方は、団体料金の入館料【お問合せ】093(562)3215図2 井手康人(同人)《白道》図1 那波多目功一(同人)《菊花》〈美術講演会〉【日時】4月8日(金) 午前11時~正午【講師】那波多目功一(日本美術院同人、業務執行理事)齋藤満栄(日本美術院同人)井手康人(日本美術院同人)【会場】北九州芸術劇場中劇場(リバーウォーク北九州6F)※申込は不要Event「院展の作品について」催事情報を見る