ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2016. June美術hiroba 山 下 理 恵美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸員Rie Yamashita 「最後の印象派」と目される「画家彫刻家新協会(ソシエテ・ヌーヴェル)」は、エドモン・アマン=ジャン、アンリ・マルタン、アンリ・ル・シダネル、エミール・クラウスなど、20世紀初頭のフランス美術界で華々しく活躍した画家たちを擁する美術団体です。彼らは当時の美術界を席巻していたにもかかわらず、長らく忘れられた存在でした。本展は、画家彫刻家新協会を日本で初めて本格的に紹介するもので、身近な風景や人物を、豊かな詩情を込めて親しみ深く描いた約80点の作品から、彼らの足跡をたどります。 19世紀末から1914年の第一次世界大戦勃発に至る時期、パリの人々は、芸術や産業の繁栄を謳歌し、1900年に開催されたパリ万国博覧会も華々しい成果を上げ、「ベル・エポック(良き時代)」と称される華やいだ時代を迎えていました。この時期、美術界でもさまざまな動きがありました。画家彫刻家新協会も、そうした時代に活躍した新進気鋭の芸術家たちによって結成され、1900年に第1回展を開催して以来、22年まで毎年春にパリのジョルジュ・プティ画廊で展覧会を開催し、評論家や愛好家たちから高い評価を得ていました。彼らは、室内や静物、日常風俗など身近なものを親しみ深く描く「親密派(アンティミスト)」として総括され、また、目には見えない人間の内面を象徴的に表現しようとした「象徴主義」とも関連付けられます。フォーヴィスムやキュビスムなど同時代の前衛的な芸術運動が、「自然」から離れていく傾向にあった中で、彼らは「自然」を徹底的に観察し、特に自然の中にある「光」を追求してきました。そういった印象主義の意識や、点描といった技法を継承しながら、詩情や象徴性を込めた親しみ深い作品を描いた画家彫刻家新協会のメンバーたちは、まさに「最後の印象派」と称されるべき一派であるといえます。 同時代に始まったフォーヴィスムやキュビスムなどから距離を置いた画家彫刻家新協会は、その穏やかな画風ゆえ、やがて表舞台から姿を消していきます。近年、フランスを中心として再評価されるまで、美術史の中でも長らく忘れられた存在となっていました。しかし、自然に対する温かなまなざしを備えた彼らの作品は、時代を超えて共感を呼び、魅了します。柔らかな陽光に包まれた身近な風景や、部屋、人物、そしてそこに漂う豊かな詩情と対象への親密な空気――。先鋭的な芸術運動の裏にあった、もう一つの輝かしい美術史の潮流を、ぜひ会場でご堪能ください。もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s ParisInformationもうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris【会場】北九州市立美術館 分館(リバーウォーク北九州5F)【会期】6月4日(土)~ 7月18日(月・祝)※会期中無休【開館時間】午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)【観覧料】一般1000(800)円 高大生700(500)円 小中生500(400)円※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金障害者手帳提示の方は無料年長者施設利用証提示の方は2割減免【お問い合わせ】093(562)3215アンリ・ル・シダネル《 日曜日》 1898年 油彩/キャンヴァス ドゥエ、シャルトルーズ美術館cDouai, Musee de la Chartreuse - Photographe : Hugo Maertensエミール・クラウス 《リス川の夕陽》 1911年 油彩/キャンヴァス 個人蔵/協力パトリック・ドゥロン画廊 Collection particuliere - Courtesy Galerie Patrick DeromPhoto cGalerie Patrick Deromソシエテ・ヌーヴェル広告を見る