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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2016. August演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka劇場 ふたつ 7月、劇団C4が第22回公演『三日月探偵社CASE FINAL?上弦の月?』(作・演出:大福悟/7月8日?10日)を上演した。 若松にあるという設定の「三日月探偵社」を舞台にしたシリーズ物。前3作で謎を秘めたまま進行してきた事件の真相が、今回の『FINAL』で解き明かされる、という趣向である。北九州では、こういった作品展開は珍しいし、回を重ね、何年もその役と向き合っている役者の個性が登場人物の個性と良いあんばいで重なりあっていて興味深かった。 さらに興味深いと感じたのは、今回C4が選んだ公演会場が、「あるあるCity劇場」だったことである。 このホールのかつての名前は「ラフォーレミュージアム小倉」。これを聞いて「懐かしい」と思われた方は演劇ファン歴が長い方かもしれない。 現在「あるあるCity」が入っているビルには、1993年から2007年まで「ラフォーレ原宿小倉」が入っていた。現在「あるあるCity劇場」と呼ばれている7階のホールは、演劇からコンサート、パーティーまでなんでも来いの、いわゆる〝多目的ホール?。舞台や客席の配置の自由度や、小倉駅からすぐというロケーションの良さから人気があった。また、同時期に『北九州演劇祭』が始まったこともあり、小倉北区許斐町にあった「スミックスホールESTA」(現在は取り壊された)と並んで、市内外の劇団によく利用されたホールだった。「ラフォーレ原宿小倉」の閉店とともに、惜しまれつつも使用不可となった「ラフォーレミュージアム小倉」だが、12年の「あるあるCity」開業に伴って、吉本興業運営の「あるあるYY劇場」として復活。しかし、15年、フロアリニューアル計画を受けて、吉本興業が運営から撤退。ホールはまたもや名前を変え「あるあるCity劇場」として、久々に地元劇団の公演場所となった。少々数奇な運命をたどっているホールとも言える。ただ、「あるあるCity」は、このホールを、他の目的の施設にする計画もあると発表しており、今後、この懐かしい場所がどうなっていくのか、劇場自体が劇的状況であると言ってもいいだろう。 さて、長いこと眠っていた劇場が目覚めたかと思えば、逆境に立ち向かっている若い劇場もある。熊本県の「アトリエ花習舎」である。健軍商店街の中にあるこの小さな劇場は、熊本市を拠点に活動する劇団「ゼロソー」の制作を手掛ける「Sulcambas!」が管理運営している。約20席の客席に〝ポップコーン片手に演劇を見ることができる?気軽さが楽しい劇場だ。昨年は『カシューナッツ♯1 12帖演劇祭』と銘打って小さな演劇祭を行うなど、意欲的に活動をしてきた。 この劇場が、先の熊本地震後に、「少しでも元気を届けたい」と、2回目の演劇祭を行うべく動き出している。 『cashew nut?12帖演劇祭?2016』には、行橋、北九州を拠点に活動する劇団「演劇関係いすと校舎」が参加する他、熊本からは「ゼロソー」「劇団天然木」、東京から、北九州の海峡演劇祭でも人気を博した「だらく舘」が参加する予定。開催は10月末から11月を予定しているが、公的な助成金が難しい状況の中で、クラウドファンディングで協力を呼びかけている。 また、このアトリエ花習舎では、8月2日に熊本地震復興支援企画として、ヴァイオリニスト谷本仰(北九州)、身体表現の大槻オサム(広島)、マルチパフォーマーの若林美保(東京)、の3人が「生きている、カラダ」をテーマにした即興表現『TWO』を上演予定だ。この作品には北九州の制作集団「ピカラック」も参加している。北九州発のアートが熊本の劇場でどんな「生きるエネルギー」を発するのか。これもまた劇的な出来事のように思えてならない。『TWO』公演写真劇団C4『三日月探偵社CASE FINAL~上弦の月~』チラシワイワイカシューシャサルカンバカシューナッツ