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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2016. October中学生の熱い夏篠崎中学校『変身』則松中学校『花咲く庭を』広徳中学校『うるわしのカレーライス』田原中学校『銀河鉄道666』上津役中学校『扉の向こうに』演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka 先日「国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ」通称「りっかりっか*フェスタ」で『ロウ ?小さな魂?』という作品を見た。ベルギーのkabinet k(キャビネットk)制作のコンテンポラリーダンス作品だ。 出演者は、ダンスのトレーニングを受けていない子どもたちとプロのダンサーである。砂ぼこりと汚いマットレスなどで構成された、スラムを思わせる舞台の上で、この両者が実にエネルギッシュな表現を繰り出していく。その強さにただただ圧倒される舞台だった。トレーニングを受けていないといっても、空間をいかに大胆に遊ぶか、観客の前でいかに自由で居られるかに関しての訓練はきっちりされていて、作品の完成度は高く、「エディンバラ国際演劇フェスティバル2016」に正式招待が決定しているそうだ。 こういった作品に出会うと、「子どもとは思えない」といったん思って、すぐに「いや、子どもだからこそ可能なのだ」と思い直すことがよくある。大人はついつい子どもの能力を過小評価してしまうが、きっとそれは間違いなのだと、『ロウ?小さな魂?』は再認識させてくれた。 今年の夏、北九州でも、若者の熱い姿を見ることができた。「北九州市中学校演劇部合同発表会」である。今年は、7月31日、ウェルとばた大ホールで行われた。〝発表?ではあるが、コンクール形式となっており、今年は5校が、それぞれ工夫して練習を重ねた作品を引っ提げて参加した。▽篠崎中学校『変身』▽則松中学校『花咲く庭を』▽広徳中学校『うるわしのカレ ーライス』▽田原中学校『銀河鉄道666』▽上津役中学校『扉の向こうに』今年は特に、ミュージカルや、生徒創作作品などバラエティに富んだ内容だったように思う。今年の審査員は「飛ぶ劇場」の俳優、木村健二。どの学校も熱演であったが、最優秀校には、上津役中学校が選ばれた。 演劇というのはひどく面倒くさい芸術だ。自分のことばかりを考えていたのでは成立しない。脚本を書いた人、演出、共演者、テクニカルスタッフ、そして、まだ顔も見ていない観客など、自分とは違う考え方、感じ方をするだろう〝他人?のことをとことん考えなくてはならない。点数が付くような明確な技術基準もない。分かりやすい勝ち負けなどもない。そんな芸術のことを「面白い」と思い、放課後の貴重な時間をかけて作品創りをしてきただろう中学生諸君に思い切りエールを送りたくなった。 北九州市内の中学校の演劇部はどんどん少なくなっているらしい。クラス劇や生徒会での劇とはまた違う〝クラブ?での活動には先生の、大人の支援が必要だ。誠に勝手ながら、そんな支援をしてくれる大人が一人でも増えればいいと思うし、必要ならば私もそんな大人の一人になる準備はある。さ