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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

3 CulCul 2016. November舞台の「熱」「飛ぶ劇場」『Red Room Radio~Reborn~』チラシ「大体2mm」『退屈という名の電車の駅のホーム』チラシくとげてるひろつづタスクインターナショナルシアターカンパニー演劇hiroba おおつか えみこ演劇の街は、いま大塚恵美子演劇事務所 代表Emiko Otsuka 9月。芸術の秋に向けて、演劇公演の数も徐々に増えてくる。昨年の11月号の原稿を読み返してみると、『「銀行」だった空間』というタイトルで、元銀行の建物である「枝光本町商店街アイアンシアター」と、「旧百三十銀行ギャラリー」で、面白い公演があった、という内容の文章を書いている。奇しくも、今年もその2カ所で上演された作品について触れさせていただこうと思う。 まずは、枝光本町商店街アイアンシアターで上演された4本の作品について。「大体2㎜」の『退屈という名の電車の駅のホーム』(作:藤原達郎/演出:藤本瑞樹「二番目の庭」/9月3日・4日)。『悪い天気』で北海道戯曲賞大賞を受賞した藤原達郎の新作を、「二番目の庭」の藤本瑞樹が演出。不条理かつ〝ゆるい?独特の雰囲気を持った作品となった。 次に上演されたのは「tuskinternational theatre company」の『解禁-kaikin-』(作・演出:エリス・ヴァン・マーサベイン/9月6日?8日)。〝日蘭貿易?を主軸に、さまざまな人間模様が描かれる。日本の文化に大きな影響を与えたオランダという国と、お互いの関係性を考えさせられる作品だった。 来年で30周年を迎える「飛ぶ劇場」が〝NextSeason Vol.1?と銘打ち上演したのが 『 RedRoom Radio?Reborn?』(作・演出:泊篤志/9月16日?19日)だ。2004年の上演作品を〝R-15?指定で再演。月末には熊本の劇団「不思議少年」が『棘/スキューバ』(作・演出:大迫旭洋/9月24日・25日)を上演した。 一方、旧百三十銀行ギャラリーでは、「交差転プロジェクト」が『演劇×朗読×舞踏で綴る「夢十夜」』(作:夏目漱石/構成・演出:アビコタカコ/9月22日)を上演。 どの作品も、小さな劇場の魅力を引き出す工夫が随所にされており、大いに楽しめた。 そんな中でふと思ったことがある。小さな劇場で作品を見るときに、商売柄か、ついつい照明機材に目がいってしまう。最近では、LEDを使用した照明機材をよく目にするようになった。枝光本町商店街アイアンシアターにも十数台のLEDスポットライトがあるそうだ。 舞台照明にLEDを使用することに関してはいまだに好き嫌いが分かれるところである。顔色が悪く見えるとか、機材の性能や調光システムによっては溶明(フェードイン)、溶暗(フェードアウト)がスムーズに行えないなどを欠点として挙げる人も多い。 一方、白熱電球を使用したスポットライトに比べて、電力使用量が圧倒的に少なくて済むこと、一台でさまざまな色を出せることなどの利点もある。性能もここ数年確実に進化して、今では使い勝手もかなり良くなった製品が多く出回っているようだ。 つい先日、リビングのシーリングライトが壊れたので買い替えようと電器屋に行ったら、ほとんど全てがLED仕様になっていて驚いた。舞台照明もそういった変化の影響を受けていくのだろうか。 天井の低い小劇場で、照明機材をがっつり仕込んだ舞台に立つと、その熱でひどく暑い。真冬で客席が冷え冷えしているときでも、舞台でちょっと動くと汗が噴き出ることもあるくらいだ。白熱電球とLEDの大きな違いは、LEDはその熱が極端に少ないということだ。照明からの「熱」を感じられない舞台に立つ。それも少し寂しいと個人的には思ったりもする。