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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

4【開催期間】10月22日(土)~12月4日(日)※月曜日休館 ※10月22日(土)の展示室入場は10時30分以降【観覧料】大人700円 中高生200円 小学生100円【開館時間】午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで)【お問合せ】北九州市立文学館 093(571)1505Information 北九州市立文学館では10月22日から、開館10周年を記念して、第23回特別企画展「没後20年 司馬?太郎展―21世紀〝未来の街角?で」を開催しています。今回は本展の展示コンセプトについてご紹介したいと思います。 司馬?太郎は、『国盗り物語』や『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』など、戦国期、幕末明治期に焦点を当てた歴史小説を数多く執筆しました。これらの作品は読者に愛され、繰り返し読み継がれてきました。それはなぜかと考えたとき、もちろん物語の面白さはあるのですが、それだけではなく、時代を超えた強いメッセージ性があるからである、ということに気付かされます。そのメッセージこそが、人々を魅了してやまないのです。 本展ではまず、「16世紀の街角」として、『国盗り物語』『播磨灘物語』『関ケ原』などの作品を取り上げます。戦国、群雄割拠の時代を、司馬?太郎は「人」に主眼を置いて描きました。この動乱の時代に「日本人」の原型を見たのです。戦国時代は、貴族・武家が生み出してきたあ文芸hiroba 稲 田  大 貴北九州市立文学館 学芸員Daiki Inadaようこそ文学館へ『国盗り物語』挿画(風間完画) 司馬?太郎記念館蔵『この国のかたち』自筆原稿 司馬?太郎記念館蔵らゆる体系・秩序が崩壊し始めた時代といえます。例えば、『国盗り物語』で、旧秩序の破壊者・新秩序の創造者として織田信長を捉え、その才能の先駆けとしての斎藤道三を捉えました。司馬はこの時代から未来へと繋がってゆく「日本人」のありようを見据えていたのではないでしょうか。 次の「19世紀の街角」では、『燃えよ剣』『竜馬がゆく』『翔ぶが如く』『坂の上の雲』などの作品に焦点を当て、ご紹介します。新しい時代への変貌を遂げようとする幕末期、若き維新志士はじめ、旧藩の家老や浪人、商人など立場も年齢もさまざまな人々が、新しい国のあり方を模索し、行動した時代です。司馬?太郎は佐幕派、倒幕派のいずれの立場も題材に採り、人としてスケールの大きい人物に焦点化し、近代日本が生まれ、歩き出す過程を描きました。 続いての「21世紀の街角」は、司馬?太郎が小学生向けに書き下ろした「二十一世紀に生きる君たちへ」から採っています。1996年に没した司馬は、残念ながら21世紀を見ることが叶いませんでしたが、未来を見据え、この国の行く末を案じていました。このコーナーでは歴史を経糸に、文化、地域性を緯糸に織り上げられた『街道をゆく』や『この国のかたち』『風塵抄』などのエッセイを中心に取り上げます。「いま」から未来への、司馬の眼差しを感じてもらえればと思います。 広い分野に関心を示した司馬?太郎の「想い」を、本展で感じてください。その先には、司馬作品の新しい読み方が見つかるかもしれません。かなたて いとふう じんしょうまなざつなよこ いと没後20年 司馬?太郎展 ―21世紀“未来の街角”で