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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

2資料では伝わらない当時の歴史や人の思いが物語に 北九州市内に長年暮らしてきたお年寄りにインタビューし、一人一人の往時の記憶を呼び起こす。その思い出やエピソードをちりばめながら、演劇的に脚色し戯曲に仕上げ舞台化する事業「Re:北九州の記憶」が5年目を迎えた。核家族化や地域のコミュニティの衰退により、市井の人々の記憶が子や孫に語り継がれる機会が減る中、劇場ならではの手法で、この街に生きる「人の記憶」を演劇作品として上演することで、「街の記憶」として継承しようという事業だ。 昨年度までに42名から伺った話から44作品が生まれており、戯曲集は市内の図書館でも閲覧することができる。今年度は、福岡・熊本など九州を拠点に活躍する5人の劇作家が、市内に住む76歳?84歳までの男女7人にインタビューを行った。 戦時中、満州へ開拓団として移住し田畑を耕していた人々の話、終戦日に母と娘が川へ洗濯に行った話、戦後、子どもと女中が戸畑へ映画を見に行った話、門司の喫茶店で繰り広げるヤンキーの恋の話、葬儀で弔辞を読む話など八つの物語が、馴染み深い地元の名所や当時の面影とともに舞台の上で甦る。 何気ない家族の会話、子どものころの遊びなど、楽しい思い出だけではなく、戦後71年を迎え、「これまでに話したことがなかった」と戦時中の苦しい記憶も、ぽつりぽつりと語ってくれることもある。作家たちは、書くことをためらうような内容も、何をどう選び、どう向き合って書き進めていくのかを自分に問う作業でもあるようだ。 きっかけがなければ話すこともなく、心の中に留めている記憶たち、消え去ってしまう記憶たちが、作家の心と筆を通し、誰もが読むことのできる戯曲に具現化する。その戯曲を読んだとき、舞台になったとき、歴史には残らない個人のささやかな思い出や感情が作品に表れることで、資料では決して伝えることができない、当時の歴史や街の雰囲気、匂いなども感じることができるのだ。 スタートから5年。鮮やかに甦ってきた、この街を生きる人々のさまざまな〝記憶?に思いを馳せてほしい。44 北九州芸術劇場北九州芸術劇場+市民共同創作劇 「Re:北九州の記憶」宣伝営業課 広報係 鬼 木 身 和 Miwa Oniki戯曲集インタビューの様子平成25年度舞台写真 撮影:藤本彦平成27年度舞台写真 撮影:藤本彦せいしな じよみがえは北九州芸術劇場+市民共同創作劇「Re:北九州の記憶」Information【日程】2017年1月13日(金)・14日(土)・15日(日)各日午後2時開演【会場】北九州芸術劇場 小劇場【料金】一般2000円シニア(65歳以上)1500円学生(小~大学生)1000円※未就学児入場不可※日時指定・全席自由・当前共通※チケット発売中【お問合せ】北九州芸術劇場 093(562)2655