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概要

北九州市芸術文化情報誌「CulCul」・ 「かるかる」  発行/北九州市、(公財)北九州市芸術文化振興財団 出版事業課

5 CulCul 2017. April 今年の春も北九州市立美術館分館で「再興院展」が開幕します。九州で唯一の巡回先となる本展では、同人作家の新作31点をはじめ、受賞作品、および九州出身・在住作家の入選作品まで約70点が一堂に並びます。 院展を主催する日本美術院は、1898年、岡倉天心が中心となって創設した在野の美術団体です。一時活動の休止を経て、横山大観らが中心となり1914年に再興し、現在に至ります。歴代の日本美術院の作家たちは、「日本画」の概念を模索し、時に革新を起こしながら、院展のイメージとなる伝統を創ってきました。現在、院の構成は、正会員の同人、そして総称して一般と呼ばれる招待、特待、院友、研究会員に分かれます。再興院展(院展)は、年に一度、同人による未発表の新作と、一般から公募を経て入選となった作品で構成されています。 さて、このたびの展覧会から、注目の同人作家とその作品をご紹介します。 人物像を中心に、鮮やかな色使いが目を引く作品の宮北千織(図1)は、院展の中で特異として注目される作家の一人です。「物を色で見る」という宮北は、人物までも物体として客観的に描く一方で感覚的に配色を行い、新鮮な感覚を生み出しています。本作では正面性の強い構図ながら、光を取り込みさまざまな色に移ろうステンドグラスが、時空間の揺らぎとなって、柔らかで夢のような感覚をもたらしています。 インドネシア・バリ島を取材し、女性やその風俗を題材にしている井手康人(図2)は、人物や草花など多数のイメージが装飾的に重なり合う夢幻の空間を描き出します。本作で井手が「時空の内に漂う、生命の有り様を描こうと試みた」というように、永遠に不変なものはない生命の循環といった思索にふけりたくなる奥深い作品です。 身近な四季折々の花や風景を題材に、繊細で清雅な作品で知られる那波多目功一(図3)は、これまでの作風とは一変した壮大な風景画です。那波多目がちょうど同人となった90年に訪れたスイスでのスケッチがもとになっています。20数年の時を経て、「自分なりの絵を描きなさい」という師の言葉を思い出しながら描かれた本作。徹底した写実により雪山の険しさが表現されながらも、どこか詩的な雰囲気に、那波多目らしい豊かな叙情性と幻想性が感じられます。 さまざまな視点や方法により各作家が自分なりの道を追求し、新しい表現へと挑む、院展による日本画の今。ぜひ会場でご覧いただきたいと思います。美術hiroba 河 村 朱 音美術館へ行こう!北九州市立美術館 学芸員Akane KawamuraInformation再興第101回院展【会場】北九州市立美術館 分館(リバーウォーク北九州5F)【会期】4月7日(金)~5月7日(日)※会期中無休【開館時間】午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)【観覧料】一般1000(800)円 高大生600(400)円 小中生400(300)円※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金障害者手帳提示の方は無料年長者施設利用証提示の方は2割減免(団体料金)【お問合せ】093(562)3215再興第101回院展(図1)宮北千織(同人)《華》(図2)井手康人(同人)《無常》(図3)那波多目功一(同人)《アイガー北壁》【日時】4月7日(金)午前11時~正午【講師】那波多目功一(日本美術院同人、代表理事)齋藤満栄(日本美術院同人)井手康人(日本美術院同人)【会場】北九州芸術劇場 中劇場(リバーウォーク北九州6F)※聴講無料Event美術講演会「院展の作品について」催事情報を見る